2022-10-11 | 1665449258
軽度慢性萎縮性胃炎 (質問者:ラスクさん)
2022年9月クリニックにて胃の出口付近に軽度の慢性萎縮性胃炎と診断されました。
近くにポリープもありました。
これは、取る必要性がなかったのでそのままです。
慢性萎縮性の組織を取り今は結果待ちです。
会社の健康診断ではピロリ菌は陰性です。
クリニックの先生は心配ないと。
内視鏡検査も2年に一度でいいとの事です。
ピロリ菌の検査は別できちんとやるべきですか?
内視鏡検査や、組織検査でピロリ菌の有無はわかりますか?
ピロリ菌目的の内視鏡検査じゃなかったので、後に心配です。
家系は胃癌家系です。
次の検査まで2年あり萎縮は進行しますか?
ピロリ菌の居ない萎縮性胃炎での癌確率はどれくらいありますか?
萎縮性胃炎についてのご質問ですが、
ピロリ菌感染の有無については
現時点での感染の確認としては、尿素呼気試験か便中抗原検査が有効ですので
いずれかを実施いただくとよろしいかと思います。
(内視鏡にて行う迅速ウレアーゼ試験や組織検査では偽陰性の可能性がありますので)
なお、ピロリ菌感染には現時点にて感染している場合、いわゆる”現感染”以外に
以前(生まれて5歳までにピロリ菌は感染するといわれています)は感染していたが
長い経過にて自然に消失しまう場合があり
いわゆる”既感染の状態”を呈していることがあります。
その原因としては、風邪薬などと一緒に抗生剤を何回もその都度服用していたことにより
知らない間に除菌していたということがしばしば散見されます。
その場合には、ピロリ菌が陰性でも萎縮性胃炎を呈することがありますので
今回のご質問の場合はこれにあたる可能性が考えられます。
(その理由として、ご家族が胃がん家系とのことですので、周りにピロリ菌感染を疑わせる環境があることが1つです)
ただし、過去現在も含めピロリ菌が陰性である場合の萎縮性胃炎には
胃体上部を中心に萎縮をきたすA型胃炎という病態もありますが、
今回ご質問の萎縮性胃炎は、胃の出口の軽度の萎縮とのことですのでこれには当てはまらないと思います。
また、胃粘膜に実際には萎縮はないが内視鏡的に一見萎縮性胃炎と診断してしまうような
場合があります(これは内視鏡医の観察の能力にもよるところがあります。)
実際の内視鏡画像を拝見できればある程度判断できるかと思いますが
疑問点があれば検査担当の先生にご質問されるとよろしいかと思います。
なお、以前からはピロリ菌非感染の胃がんの頻度は1%以下といわれてきましたが
最近の内視鏡検査診断能の向上にて
胃底腺型胃がんや未分化がんなど、ピロリ菌非感染胃がんの報告も増えてきていますので
胃がん家系のようですので、1年に1回の定期的な胃内視鏡検査をお勧めします。
2022-07-11 | 1657500155
びらん性胃炎の生検について (質問者:モントさん)
胃と大腸カメラをしました。
36歳の時の胃の内視鏡で、慢性胃炎とピロリ菌が見つかり除菌後、
一年から2年置きに検査をしました。
それから3年が経ち、久しぶりに胃と腸の内視鏡をしました。
大腸はポリープ一個と憩室が多発していると言われ、これからは腸内環境を整えようと思います。
そして胃カメラでの結果、逆流性食道炎とびらん性胃炎→生検と書いてあり、生検?となりこわくなりました。
先生は、以前のピロリ菌のなんだかんだでしょう。と話していたのですが、生検にびっくりして聞き取れず…
怖くなり今に至ります。
悪性のものなのでしょうか。心配です
ご質問の内容ですが、以前からこのホームページのQ&Aにてお答えしているように、
ピロリ菌感染は胃がんのリスクを伴うことが医学的に証明されておりそのため
胃がん予防のためピロリ菌除菌治療が推奨されています。
なお、ピロリ菌除菌後にも胃炎状態は継続していると考えられますので
胃内視鏡検査を定期的に(可能であれば1年ごと)実施することが必要と思われます。
ピロリ菌感染胃炎の除菌後には、びらんのような発赤を伴う所見が見られ時々胃がんとの鑑別が必要な場合があります。
その場合には生検検査にて鑑別診断を行います。
生検検査イコール癌ということではないので
担当の医師に結果をよく説明していただければよろしいかと思います。
2022-05-16 | 1652662547
内視鏡検査の結果 (質問者:伊藤さん)
こんにちは。
今日健康診断で胃の内視鏡検査をしました。昨年までは何も問題ありませんでした。
今年、2点指摘されました。
1.食道から胃に繋がるあたりに一部血管が濃く見えてる箇所がある。
2.胃に周りより少し白くなっている部分がある。
平坦で全体的に見ると一部だけ丸く白くな っていました。
このようながんもあるので、経過観察でまた来年内視鏡検査受けて下さいとのことでした。
帰ってからネットを検索していると進行の早い胃がんの画像と似ていたので、1年後の健康診断まで待っていていいのかとても不安になり相談しました。
どちらの症状も経過観察で待っていてよろしいのでしょうか。
この白く褪色しているのは、がん以外にそのような症状が出るような病気はあるのでしょうか。
悪いものがあれば内視鏡検査の時にとることになっていましたがとられませんでした。平坦なものだったからでしょうか。
1)食道から胃の部位の所見としては食道胃逆流症(いわゆる 逆流性食道炎)の所見のようですが、
時々食道と胃の接合部(いわゆる噴門部)にできるバレット食道の可能もあります。
時々バレット食道から癌が併発する場合がありますが、その頻度は少ないので個々の部位に関しては経過観察でよろしいかと思います。
ただし確定診断にはやはり生検検査を行う必要があります。
2)胃の所見についてですが、ピロリ菌感染が陽性な場合は良性なびらんと癌を区別するため生検検査を行うことが一般的です。
なおピロリ菌が陰性な場合、白色調を呈する所見で平坦陥凹しているような場合、
ピロリ菌陰性癌として未分化癌などや胃底腺型胃がんなど頻度が少ないながらも
確定診断が必要な場合がありますので、色素散布したり、特殊光を駆使した内視鏡(NBIやBLIなど)を併用し、
併せて生検検査を行うことが多いと思います。
いずれにしても私見ですが、ご心配であれば、再検査をしていただく方がよろしいかと思います。
その際には健康診断での内視鏡所見を検査医師のお伝えいただいた方がより精密な検査を行っていただけるかと思います。
可能であれば報告書や内視鏡画像等をお持ちいただくと検査がスムースに実施いただけると思います。
2021-12-02 | 1638407093
胃カメラ生検の追加検査 (質問者:s.さん)
胃のムカつきや膨張感があり、食事も1日3食しっかり食べられなくなったりと食欲の低下や、げっぷが頻繁にあったため、
先日胃カメラ検査をしてきました。
生検を行ったということで、結果を聞きに行ってきました。
結果は、ピロリ菌はなし
心配はいらないと思うけど、炎症があるところを追加検査することになったため、2週間後また来てくださいと言われました。
心配はいらないと言われましたが、このような追加検査というのはよくあることなのでしょうか。
ご相談の症状からはピロリ菌陰性でもあり機能性ディスペプシアといわれる病態と思われます。
診断としては
1)胃内視鏡検査等で潰瘍やがんなどが否定され明らかな器質的疾患がみられない
2)胃もたれ 膨満感 むかつき げっぷ 胃痛などの症状が見られること
などが特徴とされます。
治療としては
しばしば逆流性食道炎を併発するためプロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーなど
アコファイドといった胃運動改善薬
六君子湯といった漢方薬等を使用することがあります。
なお、ご質問の生検検査を追加されたとのご質問ですが、
医師からの検査の目的についてにご記載がありませんので正確なお答えは困難と思われます。
検査された医師に目的や検査結果について詳しくお聞きになることが肝要と考えます。
その上で、ご納得できない内容であれば改めてこちらにご相談いただければ幸いです。
2021-09-17 | 1631841624
喉や胸の痛みが続いてます。 (質問者:いっちさん)
4月に胃カメラをしました。
嘔吐反射が酷くて内視鏡を抜くときかなり出血がしました。その後耳鼻科でファイバースコープ検査で深い傷を確認しました。
その後胸が痛くなり呼吸も苦しくなり心電図やレントゲン、CT、MRI、採血の検査をしましたが異常がありませんでした。でも今も喉や胸にヒリヒリした痛みが続いてます。カロナールを飲みましたが痛みは変わりません。何件か別な胃腸科にも行きましたが胃カメラした方がいいと言う先生もいらっしゃいますが、また傷が付くからしない方がいいと言う先生がいてどうしていいか分かりません。
5ヶ月経とうとしています。ネキシウムやタケプロンを飲んだこともありますが改善されません。今は飲み込みも悪くてミキサー食です。また耳も痛みます。甲状腺の検査もしましたが異常ありませんでした。
逆流性食道炎か好酸球菌食道炎が気になります。
再度胃カメラをした方がよろしいでしょうか?宜しくお願い致します。
4月の内視鏡の際、強い嘔吐反射にて出血、深い傷などが出たということですが、マロリーワイス症候群という病態と思われます。
飲酒の嘔吐などでもよく見られますが、嘔吐反射後、吐血したなどいった場合などにも当てはまります。
食道下部の粘膜が、一時的に強い嘔吐反射にて食道から胃入口部(噴門部)周辺の粘膜が裂け、疼痛や出血を伴う状態です。
今回は、内視鏡検査の際の嘔吐反射が原因で、一時的に粘膜の一部が裂け、深い傷を形成した可能性が考えられます。
通常の場合は、傷の程度は比較的軽く自然に改善することがほとんどですが、頻度は低いですが稀に傷が深く食道の一部が裂け
穴が開き、胸腔内(専門的には 縦郭といわれる部位ですが)に空気や消化液が漏れたりすることがあります。
特発性食道破裂という病名です。
CTやMRIなどで診断されることが多いですが、傷が小さい場合は、診断が困難な場合もあります。
その多くは症状も軽く、しばらくの禁食、点滴などの保存的治療で1週間ほどで改善することがほとんどです。
稀に胸水が胸腔内にたまり、管をいれて排液したりする治療が行われることがありますが、
私個人においてそのような患者様を経験したことは、今までありません。
今回のご質問の経過から、CTやMRIなどで異常がみられないにもかかわらず、症状が持続しているようです。
可能性としては、やはり嘔吐反射にて一時的に食道の一部が小さい傷ながら裂け、一部穿孔していた可能性も否定できません。
ただし、現在も穴が開いている可能性は、低いように思われますが、
現在の状態の確認として再度、CTやMRIで確認いただくことがよろしいかと思われます。
その上で必要であれば、内視鏡検査を検討いただければと思います。
ただし、今回は嘔吐反射等をできるだけ避けるため鎮静剤の使用や経鼻内視鏡検査などの工夫をされた方がご安心だと思います。
2021-09-17 | 1631841541
スキルス胃がんについて (質問者:ぴろりさん)
2019年秋の健康診断で鳥肌胃炎とピロリ菌感染が見つかり、その年末に除菌治療を行い、2020年6月に除菌が確認されました。
その後もたまに胃の痛みがありましたが、半年おき位の内視鏡検査では特に問題は見当たらず、2021年2月の検査(経鼻)では、胃炎も徐々に良くなってきているとのことでした。
2021年6月に妊娠が判明し、それからつわりで1カ月ほど毎日嘔吐していました。そのせいか胃痛が起こり、すぐに満腹感を感じたり常に胃に不快感を感じたりするようになってしまいました。
不安になって先日(2021年9月)胃の内視鏡検査を受けたところ、逆流性食道炎、ピロリ菌の炎症のための萎縮性胃炎は認められるが、見たところ胃がんらしきものは見られない。
ただ一か所色が白くなっているところがあるので、念の為そこを生検に出すとのことでした。
ピロリ菌感染で鳥肌胃炎が起きていたため、スキルス胃がんの発生を心配しています。
スキルス胃がんの場合、退色から発見されることが多いように(ネットの情報では)見られるので、とても心配しています。
2週間後の検査結果を待てばよいのですが、、、
いてもたっても居られずご相談させていただきました。
ピロリ菌感染に伴う鳥肌胃炎の所見は、通常のピロリ感染胃炎の萎縮性胃炎などと比べ胃がんのリスクが高いとされています。
我々、内視鏡医もピロリ菌除菌後胃炎の経過フォローの際には、その点を念頭に置いて内視鏡検査を行っています。
今回のご質問の内容から、検査された先生も念のため生検検査をされたようですので
必ずしもスキルス胃がんを疑っての検査では無いように思われます。
確かにスキルス胃がんは、発見が難しいとされていますが、必要以上にご心配されることはないと考えます。
ただし、除菌後は1年に1回の内視鏡検査による定期フォローをしていただくことが肝要です。
2021-08-11 | 1628645416
食道炎での生検について (質問者:プロテインさん)
以前より熱いもの、塩分が強いものを食べたり飲んだりした際、胸がヒリヒリすることがあり先日、胃カメラを受けました。胃カメラの結果、胃はキレイが食道と境目が腫れ炎症があるので、食道炎だろうという診断が出ました。その際、腫れて炎症が出ているところの組織も生検に出しました。
ちなみに前回、胃カメラは一年半前に受けており軽い食道炎 と診断されました(検査前の二週間ほどネキシウム20mgを飲んでいました)
そこで質問なのですがご回答いただけますと有難いです。
宜しくお願いたします。
・ただの食道炎で生検などするのでしょうか?
・明らかな悪性なものの場合は胃カメラでは判断が出来ないのでしょうか?
・食道炎でも塩分が強いものを食べたり飲んだりした際、胸がヒリヒリしたり、喉が乾燥し声がかれるなどすることがありますでしょうか?
インターネットで検索しますと食道がんと合致するので気になっております。
ご回答いただけますと幸いです。
宜しくお願いたします。
逆流性食道炎についてのご質問ですが、
1)食道炎には、内視鏡の所見に対するロサンゼルス分類という分類があり、grade N M A-Dの6段階に分けられます。
基本的には、食道炎は良性疾患ですが、炎症の程度によっては、ガンとの鑑別が必要な場合があり、その場合は、生検検査を行うことがしばしばあります。
2)最近の内視鏡検査は、検査機器の飛躍的な進歩や検査術者(基本的には内視鏡検査医師)の診断能の向上等により、内視鏡診断は、食道がんに限らずいろいろながんに対してかなりの精度で行うことが可能となってきていますが、確定診断のためには、生検検査を行う必要があります。
3)食道炎の主な症状は、酸のこみ上げ(呑酸といいます)、つかえ感、物の通過がよくないなどがありますが、非定型的症状としてのどの違和感、嗄声等の咽頭喉頭異常感、胸痛、咳、喘息様症状、耳鳴り、めまいなどの症状もあります。
4)食道の出口(噴門部)に時々、バレット食道がんが発生することがあり、しばしば食道炎との鑑別が必要な場合があります。
ただし、食道炎が癌化するのではなく、鑑別が必要であると考えていだだだければよろしいでしょうか。
(胃潰瘍が胃がんになるのではないことと同じです)
2021-07-14 | 1626225063
萎縮性胃炎 腸上皮化生 (質問者:ろんろんさん)
今年の2月に胃カメラ定期検診、生検の結果萎縮性胃炎腸上皮化生と診断されました。
そのとき主治医には次の胃カメラは一年後と言われたのですが、その後少しづつ調子が悪くなり、現在左脇腹痛、食欲不信、膨満感、倦怠感がひどいです。
自分では胃がんでないかと気が気でないのでもう一度胃カメラを受けようか迷っているのですが、前回の胃カメラから半年未満でも症状があれば受けるべきでしょうか。
萎縮性胃炎及び腸上皮化生等の内視鏡所見は、ヘリコバクターピロリ菌感染胃炎を強く疑う(もしくは特徴)所見です。
まずは、ピロリ菌感染の有無を確認することが重要です。
感染診断にはいくつかの検査方法がありますが、確実なのは尿素呼気試験という検査がありますので、まずは主治医とご相談いただくことが肝要と考えます。
なお、内視鏡検査は可能であれば、今後も1年に1回程度は受けていただくことがよろしいと考えます。
2021-06-25 | 1624583904
胃カメラ 生検について (質問者:miyuさん)
毎年胃カメラをしています。当初はバリウム検査をしていたのですが、胃底腺ポリープがあるので、それなら胃カメラの方がいいかもと、勧められ毎年受けております。
本日、胃カメラを受けてきたのですが、体下部小弯に線状びらん、体下部に小さな発赤、びらん散在、うち大弯前壁のやや不整形のびらんより生検と診断されました。2週間後結果がわかりますが、なんとなく不安で、検索していたらこのサイトをみつけました。それほど心配することはないでしょうか。ちなみに食道、十二指腸は異常なしでした。
胃炎には主な代表的なものとして
1) 表層性胃炎
2) びらん性胃炎
3) 萎縮性胃炎
などがあります。
今回、ご質問の内容から胃炎は1)か2)もしくは、両方の可能性があります。
また、胃底腺ポリープも認めているようですので、ヘリコバクターピロリ非感染胃炎だと思われます。
逆にピロリ菌感染胃炎の場合は、萎縮性胃炎や過形成ポリープ等を認めることが多くの場合あります。
ピロリ菌は胃がんの大きな原因であるとされておりますが、逆にピロリ菌に感染していない場合は、胃がんのリスクは低いと考えられています。
組織検査を行った目的は定かではありませんが、ピロリ菌非感染胃炎のびらんの中にも稀に、胃がんを認めることがあるため、内視鏡された先生は、念のため組織検査を行ったのではないかと推測いたします。
現時点では、組織検査の結果待ちですが、あまり心配されなくてもよろしいのではないかと考えます。
2021-06-24 | 1624496588
胃の組織検査について (質問者:ぽんさん)
人間ドックの胃カメラで、広い範囲で白っぽくなってて慢性胃炎と言われました。
病理組織検査のため組織を採取されました。
ピロリ菌検査を血液検査でしました。
「悪性とかではないですしね」と言われてましたが、何か悪いものが見つかったので組織検査をされたのでしょうか?
ピロリ菌検査のための組織検査と思ってたのですがそれは血液検査ですると言うことでした。
2週間後に結果が出ますのでかかりつけ医でピロリ菌の薬をもらって下さいとのことでした。
癌の疑いがあるので組織検査をされたのでしょうか?
後から考えれば考えるほど心配事になってきました。
内視鏡検査にて萎縮性胃炎と診断されたと考えられます。
萎縮性胃炎は 多くはピロリ菌感染に伴い胃粘膜が白っぽくなる特徴があります。
血液検査にてピロリ菌感染を確認されているようですので、組織検査は別の目的で実施されたと思います。
ピロリ菌感染している胃炎の場合よくまだら発赤やびらんなどを伴うことがあります。
また過形成ポリープといったポリープもよく見られます。
ピロリ菌感染は胃がんの原因の一つと考えられており、上記のような所見が見られた時には
組織検査にて胃がんを除外することは時々行います。
念のための検査ですので生検検査の結果が問題なければピロリ菌除菌治療を受けていただければ
特に問題ないと考えます。
2021-02-08 | 1612747662
胃カメラ後大丈夫ですと言われたが生検取られた (質問者:ばたやんさん)
バリウムでひっかかり、内視鏡検査しました。
ピロリ菌がみつかり萎縮性胃炎、びらん性胃炎。
きれいですよと言われ、私が悪性じゃなかったんですね?と確認したら、大丈夫ですよと先生が言われました。
では、なぜ生検?
ピロリ菌は幼少時(5歳くらいまで)に胃に感染し、その後次第に炎症を広げ、萎縮性胃炎を引き起こすと言われています。
また、萎縮とともに何らかの刺激によって胃粘膜の一部に強い炎症が引き起こされ、前庭部(胃の出口周辺の部位)中心に”びらん”と言われる発赤を伴うことがあります。
びらん自体は、胃炎の一種ですので良性ですが、ピロリ菌の感染が胃がんを引き起こす原因の一つとされていますので、我々内視鏡医は、ピロリ菌感染胃炎に伴うびらんを見つけた場合、胃がんを除外するため生検検査(胃の粘膜の一部を採取すること)を行うことが時々あります。
今回のご相談いただいた内容からもこうした事例であったと考えられるます。
生検にて問題なかったとのことですので、ご安心していただいてよろしいかと思います。
なお、ピロリ菌感染については、除菌治療(胃酸を抑える薬と抗生剤の内服にてピロリ菌を除去する治療)をぜひ受けていただきたいと思います。
また、今後も定期的に胃内視鏡検査を受けていただくことが肝要と考えます。
これらの点につきましても、今回内視鏡検査を実施いただいた主治医の先生にご相談いただくことをお勧め致します。
2016-02-17 | 1455677935
胃カメラの生検 (質問者:ろんさん)
お世話になります。胃ガンについて心配で質問させて頂きました。
70の母ですが、7年前から油物を食べると年4回位胃痙攣があり、ブスコパンですぐ治まっていたのでそのままにしておりました。
ここ数年は起こらずにいたのですが、先週油物を食べて久しぶりに起こり、ブスコパンを飲んで治まったのですがショック状態になり救急車で病院に行きました。
そこで単純CTと血液検査を受け、胆石があることがわかりコスパノンとウルソを処方されました。
術前検査で本日胃カメラをしたのですが、生検がありとても母が心配してしまいここのサイトに たどり着きました。
胃カメラは5分程度で1ヶ所生検があったようです。
救急搬送されてからゲップが多くなりとても心配です。
食欲はすごくありここ1年定年退職してからすごく食べており排便も色は黄色です。
ただお腹にガスが溜まるようです。
先生に診察していただいてないのでこんな質問申し訳ないのですが、胃痙攣が胃の可能性もありますか?
またガンである可能性も高いでしょうか?
今はゲップが出ており痛みは特にないようです。
大きい病院なので生検の説明は1か月後で不安で二人で落ち込んでいます。
お忙しい中とは思いますが返信頂ければ幸いです。
ご質問のお答えになるかどうか わかりませんが、
おかあさまの症状に関して わたくしの印象からは 胆石による痛みの可能性がありそうです。数年前から油ものにて痛みがあり 今回も同様の症状が発作として 出現しているような経過に思われます。
また ショック状態も 胆石による胆嚢炎が 原因であったかもしれません。(詳しい検査結果等があれば 正確にお答えできますが、、)
なお 胃がんのご心配をされているようですが 胃痙攣と胃がんが直接関係しているような印象はお話からはなさそうに感じます。
もし 内視鏡にて胃ガンが強く疑われるようなら 内視鏡検査を終了した時点で 検査された医師から 何らかの説明があると思われます。
また 生検検査で悪性を考えられれば 通常であれば、1か月も先のご説明にはならないと考えます、
ただし あくまでも 推測の域を出ませんが 、今回の経過から もし生検検査から 悪性の細胞が出たとしても 早期のがんの可能性が高いと考えられますので必要以上にご心配されることはないのではないかと思っています。
(お母様のご病気の情報が 限られたものでしたので ご質問のお返事として不十分かもしれませんが ご了承ください)
2013-12-26 | 1388026135
検査費用についての質問です (質問者:みさえさん)
半年くらい前からお腹の痛みと下痢とともに下血があります。
先日病院に行ったら潰瘍性大腸炎か過敏性大腸症候群の疑いがあるので検査をしてみないとわからないといわれました。
アルバイトをして生活をしているので検査にどのくらい費用がかかるか心配です。
症状がひどいときは一日中お腹が痛く何度もトイレにいきます。
そのうちの8割から9割が下血します。
できれば一日で検査を済ませたいのですが可能かどうかということと大体どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
そこの病院では胃カメラと内視鏡の両方の検査をしなければならないといわれました。
両方の検査が必要なのでしょうか?
症状的には 頻回な排便 腹痛 下痢 血便などから潰瘍性大腸炎の可能性が考えられます。
確定診断のためには やはり大腸内視鏡検査が必要と思います。
また 今回 診察していただいた医師のご意見のように 胃カメラも合わせて行っていただいたほうが よいでしょう。(時々 胃炎や潰瘍などを併発していることもありますので、、)
なお、お仕事の関係で検査を同じ日に行いたいとのことですが、体力的に問題なければ、可能です。
ただし 大腸内視鏡の前処置のため 2リットル程度の飲水が必要ですし、当日は、検査終了まで絶食ですので、女性の方は大変かもしれません。
当院では 患者様」の「ご希望があれば 同日に胃カメラと大腸内視鏡を行うことも可能です。
費用に関してですが、検査の内容によって 異なりますが
1) 胃カメラの場合 観察のみでは4000-5000円前後。細胞検査(組織を採取することですが)やピロリ菌検査などが追加されると 8000円程度
2) 大腸内視鏡では 観察のみで5000-7000円前後 組織検査やポリープ切除などが加わると15000-20000円程度になります
ただし 医療機関によっても異なることがありますので あらかじめご確認いただいた方が確実だと思います。
2012-10-24 | 1351042884
大腸内視鏡前処置について、、疑問! (質問者:あやっちさん)
大腸内視鏡を今度、受ける予定ですが、心配ごとが一つあります。
検査前にムーベンという洗浄液を飲むそうですが、飲んでも出ないときは歩いたりおなかをマッサージしたり、、水分を多くとるようにいわれた友人がいるそうです。なぜ、そのようにするべきか、根拠を教えてください!!
大腸内視鏡検査の際には 腸管洗浄剤を服用していただき 大腸の便をすべて出して 腸をきれいにした状態で 検査を行います・
検査を確実に行うために 大腸に便が残らない状態まできれいにする必要があります。
便が残っていると 観察が不十分になり 大腸ポリープや 癌などの病気を見逃す可能性があるからです。
腸管洗浄剤として 当院では ムーベンやビジクリアなど使用しています。
(ムーベンの代わりに ニフレックという名前のものも多くの施設で使用されていますが 内容的には ほぼ同じものです。)
ムーベンを2Lの水に溶かし その溶解液を約2時間かけて飲んでいただきます。
なかなか2Lを2時間で服用するのも大変ですが、すべて飲んだ後も 便秘の方などは なかなか排便が起こらないこともあります。そのような場合に 排便を促す目的で
1)歩いていただいたり
2)おなかをマッサージ
3)腹式呼吸
4)屈伸運動
などを行っていただくと効果があります。
基本的には腸の動きを良くし便を出やすくするための方法です。
乳幼児がよく便秘になったとき おなかを“のの字”にマッサージすることがありますが、まさに 同じことです。
うちの息子も赤ちゃんのとき ひどい便秘で よく“のの字”マッサージをしたものです。
(ちなみに ビジクリアは 50錠の錠剤を 2時間かけて2Lの水で 段階的に服用していただく方法です。 若い方に使用することが多いですが ムーベンよりは服用しやすいようです)
ちとせ台内科クリニック
2012-07-11 | 1341970138
逆流性胃炎で… (質問者:naaさん)
5月から胃が不調で、病院へ行くと胃潰瘍の可能性ということで薬を処方してもらいました。
しかし、胃の症状がよくなってくるのと同時に喉に変な違和感をおぼえ、もう一度病院へ行くと逆流性胃炎とのことでした。
そこで「ガスモチン」を処方してもらい夜飲んでみると、気分が悪くなり、目がうつろになり(母いわく白目)意識もはっきりしないぐらいになりました。
その時は薬のせいかわからなかったので、次の日も服用しましたが、やはり同じ症状で、3日後からは服用しなかったところ、その
ような症状はなくなりました。
しかし、逆流性胃炎は今もすっきりとはせず、薬も何も服用していませんし、気をつけてカレー、コーヒー、天ぷらなどは避けてはいますが、ついつい食べ過ぎたり、冷たいものを食べたりすると、胃がいたくなったり、胃酸が上がってくるように感じます。
まだ病院へ通う必要がありますか?
あと、コーヒーはすごく大好きで我慢するのが辛いです。
カフェインレスなら大丈夫でしょうか?乱文ですが、回答御願いします。
ご質問の中で “逆流性胃炎”と おっしゃっていますが たぶん“逆流性食道炎”のことと思います。(医学的には 実は 逆流性胃炎という病名は 存在しません)
ですから 逆流性食道炎としてお答えしたいと思います。
“逆流性食道炎”とは 胃酸の過剰な分泌などが原因で、胃酸が食道に逆流して起こる病態です。
典型的な症状としては 胸焼け げっぷ 呑酸(酸のこみ上げ) 胸のつかえ感などがありますが、のどのイガイガやつまり 胸痛 咳など多彩な症状を呈することもあります。辛いものや 刺激の強いもの コーヒーなども 原因になりますが、 基本的には 胃酸の分泌が多い状態の方に多く見られます。 また 胃もたれなどが強く 胃の消化が低下しているような方にも起こりやすくなります。
治療としては 基本的に 胃酸を押さえる薬として 現在では プロトンポンプ阻害剤(PPI)やH2 ブロッカーなどの薬が 使用されます。
7-8割の方にはよく効く薬ですが、 胃もたれや げっぷなど胃の働きが低下して胃酸の逆流が起こっている場合などは、胃運動改善薬(胃の動きをよくする薬です)を併用します。
ご質問の中で 使用された“ガスモチン”がこれに相当します。
今回の ご経験の中で ガスモチンによる副作用が出現した模様ですので これに類似した薬物の使用は控えたほうがよさそうです。まずは PPIなど酸を抑える薬物を中心に 場合によっては漢方薬などを併用することが有効ですが、基本的は心がけとしては 暴飲暴食をさけ、 刺激の強い食事は控えていただくことが大切です。
カフェインレスなら コーヒーは大丈夫かとのご質問ですが 個人差がありますので 一概に問題ないとも判断できません。
治療は 継続内服が必要になることが多いので 定期的な通院をされたほうがよろしいと思います。
2012-06-25 | 1340591028
黒い便について (質問者:りおさん)
数年前から胃の調子が悪く、黒い便がでることがありました。
今年に入って吐き気、ムカつき、膨満感などがあり食欲もなくなったため、近所の胃腸科を受診し、胃カメラをしました。
胃炎と診断され処方された薬をのんだところ、吐き気やムカつきなどの不快感はなくなりました。
しかし、最近また黒い便がでました。黒というよりは黒っぽいが近い表現ですが、下痢に近いときと固形の場合があります。
近所の胃腸科の先生と相性があまりあわなかったので、医者を変えたところ、腸も調べたほうがいいということで先日大腸カメラをしました。なにかあるらしく、細胞採取をされましたが、悪いものではないだろうとのことです。
今、その結果まちです。
ところが、今朝、二回トイレにいったのですが、一回目が茶色、二回目が黒めでした。
いったいこの症状はなんなんでしょうか。
胃カメラをして頂いたお医者さんを疑うつもりではないのですが、胃カメラで出血をみをとしていることはないでしょうか。
組織採取の結果がでたときに相談するつもりですがまだ少し先なので不安でいっぱいです。
ご相談の上で 胃および大腸内視鏡検査の結果が どのようなものであったかはっきりと判明できないので あくまでも推測の域を出ませんが、、、
1) 黒色便は 医学的には 上部消化管(食道 胃 十二指腸)からの出血の場合が多く 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 胃がん 急性胃炎などで認められます。
お話のなかで 胃カメラをされていることから 明らかな出血を起こすような病気の可能性は低いと考えるのが妥当です
2) さらに 大腸内視鏡もされ 細胞検査をされたそうですが やはり黒色便を起こすようながんや潰瘍ではなさそうです。
3) では そのほかに考えられる病気として、ご質問の中で‘一回目が茶色、二回目が黒めでした。“とのコメントがありますが 予想としては 肛門周辺の炎症痔などもしくは大腸憩室などの可能性が考えられます。
4) さらに可能性は低いと考えられますが 小腸からの出血が残っています。
胃内視鏡や大腸内視鏡にて原因がはっきりしない場合に 小腸内視鏡やカプセル内視鏡などの検査をおこなうことになりますが、これらの検査は 特殊な器具ですので 大きな病院にて受けていただくことになります。
5) 以上の内容を 一度ご検討いただき 現在の主治医の先生に ご相談いただければと思います。
6) ちなみに 小腸内視鏡やカプセル内視鏡などは 私が現在も外来や内視鏡を嘱託医して週1回勤務している 東京逓信病院で受けていただくことは可能です。
2010-10-07 | 1286410574
授乳中の胃カメラ (質問者:ローズヒップさん)
初めて相談させていただきます。一年ほど前から胃腸の調子が悪く、処方された薬で改善するのですが、しばらくするとまた調子が悪くなるという状態を繰り返しています。症状は、食後の胃部の張りや痛みゲップ、空腹時の胃部の痛み、腹痛(お腹全体と右下の同じ場所が時折痛む)、下痢や便秘などです。2008年春に出産して以来、育児による疲労やストレスが続いており、また子供に食物アレルギーがあるため卵と乳製品の食事制限を子供と一緒に1年半程続けています。(授乳しているため)元々胃腸が弱く、これまでに4,5回胃カメラの検査を受けていますが、ここ5年ほどは出産育児のため検査を受けていません。これまでの検査では、軽い胃炎と言われました。今回もかかりつけの病院で胃カメラの検査を勧められました。検査はとてもつらいので鎮静剤を使用しての検査を希望したところ、授乳中は鎮静剤による検査はできないと言われました。(現在2歳5ヶ月の子供に授乳中です。一日4,5回程度、飲んでる量はわずかです。)もし鎮静剤を使うなら、1週間〜10日ほど授乳を中止しなければならないとのことです。出来れば、自分の都合による無理やりの断乳は避けたいのですが、検査を受けずにいて症状がいつまでも改善しなかったり、万が一悪い病気だったら・・・という不安もあります。飲んでいる母乳の量がわずかでも、鎮静剤の使用は難しいでしょうか?また、早急に胃カメラの検査を受けるべきでしょうか?ご回答いただければ幸いです。(ちなみに尿によるピロリ菌検査を1カ月ほど前に受け、陰性でした。)
基本的に授乳中に鎮静剤使用しても内視鏡は十分可能と考えます。
授乳によって鎮静剤がどの程度母乳中に移行し乳児に影響を起こすといった具体的な危険度についての根拠は報告されていないのが現状です。
またお子さんの年齢授乳量からすると薬剤の体内への反応は少ないとおもいます。医学的に必要であれば、検査は受けていただくほうがよろしいと思われますが最終的には主治医とご本人とのご相談(いわゆるインフォームドコンセント)で決定されるべきことですので第3者の意見はご参考程度とお考えください。
ちなみに鎮静剤を使用しないで比較的楽に安全にできる内視鏡として、最近では鼻からの内視鏡が行われてきていますのでご一考頂くのもひとつの選択だと思います。
2010-05-24 | 1274674158
萎縮性胃炎について (質問者:チョビさん)
はじめまして。心配な事がありまして質問させて頂きました。
13年程前、一日4杯程の緑茶を飲み続けていると吐き気やげっぷが止まらなくなり胃カメラで検査をして貰いました。当時は胃炎との診断を受けました。その後たまに緑茶や紅茶を飲んだり、転職等でストレスを感じると同じ症状が出るようになりました。3年前、2年前とカメラで検査をして頂き、その際は萎縮性胃炎と言われ、萎縮の原因はピロリ菌の可能性が高いという事でも除菌しました(その後の検査の結果は陰性でした)。
今でもちょっとしたストレスを感じるだけでゲップが止まらなくなったりして2日程不調になります。
萎縮性胃炎は胃がんになる可能性が高いと聞いたのですが、ピロリ菌を除菌したにも関わらず症状が変わらないという事はやはりストレスやお茶系の物が胃の萎縮と不調を招いているという事なのでしょうか?
またこの不調を放っておくと胃がんに発展する恐れもあるのでしょうか?
萎縮性胃炎は以前では年齢(加齢)が原因といわれていたのですが、実際にはピロリ菌が粘膜に炎症を起こすことにより胃粘膜が薄くなり慢性的な胃炎を引き起こすとされています。
症状としては痛み以外にゲップ・胃もたれ・吐き気などいろいろな症状を引き起こし炎症がひどくなると潰瘍や胃がんを発症することが医学的に証明されています。(この発見がノーベル医学賞の受賞対象となり オーストラリアの2人の学者がノーベル賞を受賞しています)
ご質問の胃炎症状の多くはやはりピロリ菌が原因だったと考えられます。お茶などにはカテキンと言う殺菌作用のある成分が含まれており、お茶が胃炎の原因となるようなことは考えにくいと思います。
なお、ピロリ菌の除菌が成功しても萎縮性胃炎の状態はすぐには改善しないことがあることや、除菌成功後に胃酸の分泌が正常化することによるびらん性胃炎や逆流性食道炎を引き起こすことが5−10%程度あることも知られています。
また機能性胃腸症という胃・食道などの消化管運動の異常によりゲップや胃痛・胸焼けなど症状が起こることもあり、単純にひとつの原因に限定できないように思います。
治療としては、胃酸の分泌を抑制したり胃腸の機能を調整するようなお薬を併用したりして症状を改善させます。
なお、胃がんの発症についてはピロリ菌の除菌が成功していればかなりの予防になると考えられますが、ピロリ菌以外の原因(遺伝・アルコールやタバコなどの刺激物・その他)も考えられますので、1−2年ごとに内視鏡検査を定期的に検査されることをお勧めします。
2010-05-06 | 1273114834
胃カメラ、大腸検査 (質問者:よっしーさん)
20代のころに神経性胃炎にかかってから胃腸が弱く、便秘と下痢を繰り返ししてます。胃カメラは何回か飲み、ただの胃炎として薬を飲んで治っていました。健康診断での便検査では異常はありませんでした。ここ2年ほど胃腸の調子が悪く、整腸剤を常備飲んでいます。便も硬いときが多く、校門の奥が痛くて歩けなくなる時もあります。胃腸科か肛門科どちらを受信したらいいですか?
また鼻炎でも鼻から入れるカメラは痛くないですか?よろしくお願いいたします。
胃や排便の症状からは 機能性胃腸症や過敏性腸症候群の可能性があります。(以前のQ&Aでも 何回かご説明しましたので ご参考ください。)
過敏性腸症候群は癌や大腸の炎症などの病気がないにもかかわらず、便通異常(便秘や下痢)が持続するという病気です。
下痢型 便秘型 混合型(便秘と下痢を繰り返す)など症状によって分類されますが、男性は下痢、女性は便秘が多い傾向があるといわれています。(ちなみにテレビなどのコマーシャルで便秘薬は女性、下痢薬には男性が登場することが多いのもその表れともいえます)。
機能性胃腸症は 昔からよく慢性胃炎といわれてきた病気の多くがこれに当てはまります。
ピロリ菌の関与も指摘されており、胃カメラでも軽い胃炎とされ薬の服薬で一時的には改善しますが、ゲップや胃もたれなどの症状が再燃、持続しやすい傾向があります。
どちらの疾患も癌などの病気がないことが前提になっていますので 胃カメラや大腸内視鏡などの検査にて確実な診断治療を受けることがよろしいかと思います。
現在は、いろいろ効果的な治療薬が多くありますので症状に応じて主治医の先生に調整していただくことになります。
なお、受診医療機関は胃腸科、消化器科や内視鏡を専門にされている医療機関であればよろしいと思います。
ちなみに鼻からの内視鏡ですが、鼻炎がある方は鼻の通りが悪かったり狭い場合があります。
花粉症の場合は季節を過ぎてからのほうが好ましいと思います。
痛みについては個人差が多いため、比較的楽だったと感じられる方々のほうがはるかに多いのですが、1割程度の方はやはり鼻の痛みがきつかったといわれるように思います。
いずれにしても検査を受けられる場合には検査についてのご説明がありますので、その際に十分納得して検査を受けていただくことになります。
場合によっては 口からの従来のやり方を選択されてもよろしいかと思います。
2010-03-08 | 1268012543
ピロリ菌と逆流性食道炎 (質問者:ピロリさん)
3年ほど前、胃痛、胸焼け、ゲップ等の胃の不快症状があり、受診したところ、委縮性胃炎と診断されました。また、胃潰瘍はありませんでしたが、ピロリ菌の除去をすすめられ、除菌いたしました。
昨年暮れ、少々胃に違和感があったので、久々に定期健診を受けにいったところ、胃潰瘍が治った跡と、軽い逆流性食道炎が見つかり、ガスモチン、アシノン、半夏厚朴湯が処方されました。(ピロリの再検査を行いましたが、問題ありませんでした。また、胃潰瘍の跡については、検査を行い、癌ではないことを確認しました)
実は、現在授乳中です。処方した薬は授乳中に服用しても問題ないものであると言われましたが、1ヶ月〜2ヶ月の長期間服用しなければならず、赤ちゃんへの影響がどうしても気になってしまい、自己判断はいけないと思いながら勝手に服用をやめてしまいました。やはり、時折胃のもたれ、圧迫感、軽いゲップ等の症状が感じられます。そこで、ご質問なのですが、
1)胃の不快症状は我慢できるレベルです。このまま授乳が終わるまでできれば薬なしで乗り切りたいのですが、逆流性食道炎は放置すると悪化して癌化したりしますか?
2)ピロリ菌を除去したにも関わらず胃潰瘍が出来ていました。そういうことはあるのでしょうか?
3)ピロリ菌を除去すると、逆流性食道炎になりやすいと聞きました。今後も逆流性食道炎とは付き合っていかなければならないのでしょうか?また、日ごろの生活で予防出来ることはありますか?コーヒーが好きで、カフェインレスのものを日に2杯ほど飲みますが、これもよくないのでしょうか。
1)逆流性食道炎が悪化して癌になるかという点については まだ 医学的にははっきりしていません。確かに 欧米人は 食道炎と関係のあるバレット食道に炎症が持続すると癌化する可能性が高いとの報告がありますが、日本人とは細胞や発生の形、炎症の程度が異なるため、すべてをわれわれ日本人に当てはめることはできないと思います。また、もともと欧米人に比べ日本人の食道炎は 内視鏡の程度や症状が比較的軽いものが多い傾向があり、私見ですが “食道炎イコール食道がん”と言う考えは適切ではないと考えています。
2)ピロリ菌除菌によって 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の多くは再発を予防できるといわれていますが、除菌に成功しても、約1割程度は再発するというデータがあります。理由は潰瘍のその他の原因としてアルコール、タバコ、ストレス、薬剤(鎮痛解熱剤など)、刺激の強い食事などあり、たとえピロリ菌を除去できてもこれらの原因が重なれば潰瘍になる可能性があると思っていただいて良い考えます。
3)ピロリ菌は元来自分自身が尿素(いわゆるアンモニア)を分解し酸が強い胃の中で生存できるような仕組みを持った細菌です。そのため ピロリ菌は胃の中をアンモニア(アルカリ)で中和している働きを持っているためピロリ菌を除菌してしまうと減っていた胃酸が正常に戻るため一時的に胃の中が酸性に傾くことになります。そのためピロリ菌除菌により一時的に胃酸が多くなり食道炎が出現することになります。ただしこれらの変化は胃が正常に戻っていく過程の変化なので医学的に食道炎が問題になる場合は少ないと思います。(巷でピロリ菌を除菌すると食道がんになりやすいといううわさがありますが、実際には根拠の乏しいものと考えてください)
なお、予防はやはり胃酸を増やすような刺激物(コーヒーや香辛料、塩分、タバコ、お酒、その他あんこなどの甘いもの、脂肪の多い食事など)は少なめにしていただいたほうがよいと思います。
なお、授乳中のお薬の服用のご心配がお有りのようですが、ほとんどの胃腸系のお薬はご心配ないとお考えください。
ちなみに成育医療センターのホームページの中に授乳と薬について細かく記載してあるところがありますので、一度ご閲覧くだされば参考になると思います。(http://www.ncchd.go.jp/kusuri/junyuu.html)
2009-11-24 | 1259030103
みぞうち上の痛み (質問者:森ガールさん)
一週間くらい前から朝起きてから昼ぐらいまで胸の間でみぞうち上の骨のあたりに痛みがあり押しても痛みがあります。主に寝起きに痛みがあり食事しての痛みはないです。いつもは便秘気味ですがこの頃は下痢気味です。食欲は海外に行って帰ったばかりだったのであまりなく最近もどってきたところです。これは胃の病気なのでしょうか。病院に行くのにも何科にかかればよいのでしょうか?よろしくお願いします。
症状から およそ2つの病名が考えられます。
1)みぞうち周辺の痛みは逆流性食道炎や機能性胃腸症
2)便秘 下痢症状は過敏性腸症候群
以前にも何回かこれらの疾患について 患者の気持ち Q&Aにおいてご質問がありましたが、どちらも癌や潰瘍などの病気がないが、胃痛や排便異常などの消化器症状が起こるといったと特徴があります。
専門的には いずれも“消化管の機能異常による病気”と分類されており、1)逆流性食道炎や機能性胃腸症は食道や胃など、2)過敏性腸症候群は大腸、とされておりますが、両者が複雑に影響して 症状が出てくる場合も多く診られます。いずれも消化器の主な病気であり、病院受診の場合は、消化器科・胃腸科などを専門にしている科を受診していただくとよろしいと思います。
2009-09-09 | 1252457706
過敏性腸症候群の処方について (質問者:たかさん)
過敏性腸症候群の患者です。先日、ネットで関連記事を検索していたところ、アステラス製薬の新薬イリボー錠が最近認可され発売されたみたいです。貴院で処方して頂くことは可能でしょうか。ご回答の程、よろしくお願いします。
下痢型過敏性腸症候群の治療薬として、昨年秋よりイリボーと言う薬が認可されています。男性の下痢型に対しての使用のみですが、いままでの治療薬に比べかなりの効果があります。当院でも多くの患者様に処方し、症状の改善が見られています。女性に対しての適応も、現在治験が行われています。一度ご来院いただければいつでもご処方いたしますので、ぜひご相談ください。
2009-09-02 | 1251853927
経鼻内視鏡検査について (質問者:とこちゃんさん)
主人に経鼻内視鏡検査を勧めようと思っています。ここ半年胃痛で4,5回病院にいったのですが、毎回、逆流性食道炎と診断され5種類くらい薬をもらって帰ってきます。しかし、胸焼けや酸っぱいものがこみあげるといった症状はありません。症状は、食後の胃痛で、胃の下あたりや肋骨(右側)の下辺りが痛いといいます。便は快調で状態も問題ありません。食欲も通常通りです。ここ最近は落ち着いていますが、とても心配です。一度内視鏡検査を受けてみたほうがいいのでしょうか。また、経鼻内視鏡検査の費用はどれくらいでしょうか。お忙しいところ申し訳ございません。宜しくお願い致します。
症状のお話からうかがうと、逆流性食道炎と言うよりむしろ”機能性胃腸症“の可能性のほうが強いような印象です。“食後の胃痛”“胃の下辺りや肋骨下あたりの痛み”“排便は正常”“胸焼けなどなし”などの症状は機能性胃腸症でよく見られます。“機能性胃腸症”とはあまり聞きなれない病名のようですが、われわれ消化器科胃腸科の専門医であればきわめて一般的な疾患です。病気の特徴としては、“内視鏡検査などを行っても潰瘍や癌などの病気が見られないが、みぞうち周辺の痛み、食後の不快感などが持続する”といった定義があります。ピロリ菌などの関与も指摘されています。
ご主人の場合 一度 内視鏡を受けていただき 病気の有無を確認診断していただく方が良いと思います。機能性胃腸症と診断できれば 効果的な治療薬がありますので、適切な処方をしていただければご安心と思います。
なお、内視鏡検査の費用ですが、施設により多少の差がありますが、基本的に保険診療下では、初診料や感染症の採血などの諸費用が別途加算される場合(2500円前後)がありますが、胃内視鏡の際、とくに病気がなく検査が観察だけで終了した場合には、4000−5000円程度です。なお、潰瘍やポリープ、癌などの病気が発見され、細胞を採取する検査(“病理組織検査”といいます)が追加された場合、おおよそ8000−9000円前後になります。(組織検査の数や ピロリ菌の検査を追加した場合には 多少増額になる場合もあります)もし、検査を受けられる場合には あらかじめ担当の先生にご確認しておいていただくほうが良い思います。
2009-07-01 | 1246410599
大腸内視鏡検査による炎症の発見 (質問者:花こころさん)
初めまして。5月の中旬より左下腹部痛があり、それから3週間後の昨日大腸内視鏡検査を受けました。検査を受ける3週間の間にも筋肉注射を打ったりや坐薬を入れても下腹部痛の症状が強かったり弱かったりと様々でしたが、痛みはだいぶ落ち着いてきました。
そして、大腸内視鏡の検査の日ですが、麻酔が効き過ぎたのか検査が終わる手前まで熟睡していて、大腸の中がどうなっているのかわからないまま、「炎症を起こしていたので生検するために組織をとった。」と言われました。どの先生が内視鏡を入れたかもわからない状態です。
寝ていた状態で全てが終わっていて、組織を取られてるとも思わず、正直ビックリした思いです。
その結果が分かるのに2週間近くかかるとのことで、自分なりにどんな病気が当てはまるのか調べているところです。
大腸の炎症で考えられる病気はいくつかあるかと思いますが、左下腹部痛以外に何も症状はなく、下血とか一切ないので、もし分かれば教えていただけたらと思います。炎症が原因で手術することもあるのでしょうか?今まで入院したことや手術をしたことがないだけに不安があり相談させていただきました。よろしくおねがいします。
お話の内容からは、大腸の炎症がどのようなものであるか、確定できませんが、血便などの出血がないこと(下血という表現は、胃や十二指腸、食道などの上部消化管で使う用語ですので、大腸等からの出血の場合は血便、粘血便などといいます)下痢などの便通異常がないことなどから代表的な腸炎である潰瘍性大腸炎や
クローン病などではなさそうです。
また、痛みも左下腹部周辺とのことですので、虫垂炎や腸結核などの可能性も低いと思います。よく、左下腹部を中心に急な痛みを起こす病気に、大腸憩室炎がありますが、今回の内視鏡検査では、憩室の診断がなかったでしょうか?
加えて、腸に炎症があったとのことでしたが、どのようなものだったのか、実際に内視鏡などでの写真を確認する必要があります。女性の方の場合、婦人科領域の病気を除外する必要がありますので、場合によっては一度婦人科受診をお勧めします。(卵巣のう腫などは下腹部通の原因によくなります)また、時々婦人科の病気として子宮内膜症(子宮の組織が子宮以外の場所に発生する病気です)が腸にできる“腸管子宮内膜症”と言う病気があり、女性の腸炎の原因のひとつとして 鑑別されることもあります。なお、今回のご質問の内容から、手術などが必要になるような病気ではないのではないかと考えています。
あまりまとまりのない返答になってしまいましたが、その後の結果がお分かりでしたら、 またご連絡いただければ幸いです。
(余談ですが 大腸内視鏡検査にあたり完全に麻酔をかけ眠った状態で行うことに対しては以前から申し上げていますが、やはり私個人としてはあまり賛成できません。この点の詳細につきましては以前のQ&Aやブログに何回か書いてありますのでご覧ください)
2009-05-12 | 1242090995
便秘よる浣腸後、出血が止まりません (質問者:みやまりんどうさん)
便秘がひどく左下腹がいたくて立ち上がるのもやっとだったため初めて医療機関を受診したところ、医師が触診後、S字結腸に便がたまっているので浣腸をしてくださいと言われ、120MLの浣腸剤を別室で女性看護士さんに横になって挿入してもらったところ、すぐに便意を催し、2回にわけて便が出ました。一回目の便を看護士さんが確認し、左下腹痛はほぼおさまりましたが、帰宅後腸からの出血が始まりました。透明な粘液の中に血液が混じっているようなピンク色の液体です。このままにしておいて問題はないでしょうか。医療機関には3日前の夕刻から今も出血は止まっていません。
出血の原因は
1)便秘が原因で起こったもの
2)浣腸が原因
3)大腸の病気
4)その他
などと分類できます。
出血の様子から判断して、肛門に比較的近い部位からの出血ではないかと考えれれます。血液は時間が経つと黒褐色に変わっていきますので、もし胃や小腸大腸の奥からの出血であれば、黒色便になりますので 其の点で鑑別できます。
1)の場合よくあるのが便秘が引き金になり 大腸粘膜に炎症や潰瘍などを起こす病気があり、直腸粘膜逸脱症候群といいます。ひどい便秘でトイレが長く、排便時によくいきむ習慣の方によく見られます。潰瘍や炎症が強い場合も有り大出血することもあります。
2)浣腸などで無理やりは排便させたりしても1)と同様の症状が起こることもあります。また時には浣腸などによって大腸の粘膜が無理やり引き伸ばされて、一時的に大腸を栄養している血液の流れが悪くなる病気もあります。虚血性腸炎と言われるもので、急な激しい左下腹部痛のあと出血が見られます。太っている方や高脂血症など動脈硬化をきたしやすい方などによく見られますが、妊娠中やピル服用中、マラソンなどの運動選手などにも起こる場合があります。
3)大腸がんや腸炎(潰瘍性大腸炎など)大腸憩室など大腸にもともとあった病気からの出血も可能性も否定できません。とくに便秘がひどい方の中には大腸がんが見つかる場合もあり注意が必要です。
4)肛門の痔なども結構出血の原因になります。真っ赤な血液が便器に見られることも有り、初めて見ると結構びっくりされる方もいらっしゃいます。
以上、いずれにしても 医学的には大腸からの消化管出血と考えますので 正確な診断や治療をしていただくためにも、担当の先生とご相談の上、できるだけ早い時期に大腸内視鏡などの検査を受けていただくことを薦めします。
2009-01-27 | 1233018945
UC (質問者:新居さん)
昨年12月に直腸型の軽度のUCと診断を受け、現在ぺンタサを一日6錠服用中です。現在の症状は排便時に血液が極少量付く程度です。
花粉症のため、クラリチンの処方を眼科でうけたのですが、UCに影響はありませんか?眼科の先生は特に問題はないと書いてあるとおっしゃっていたのですが・・・。ちょっと心配になりまして。
よろしくお願いします。
潰瘍性大腸炎の状態としては直腸型の軽症と考えられます。
ペンタサも6錠で炎症が安定している時の服用量です。(重症の場合には12錠から15錠程度服用する場合があります。また ステロイドを併用することもあります)
現状では花粉症の治療薬のひとつであるクラリチン(これは 抗ヒスタミン薬といわれる花粉症の薬としては、極めて一般的な薬剤です)の服用は、まったく問題ないと思います。ご安心して服用ください。(ちなみに花粉症の症状が出る前にあらかじめクラリチンをはじめとする抗ヒスタミン薬などの薬剤を服用したり、点鼻薬等を使用して症状の出現を予防する方法を“花粉症の初期治療”といわれており、現在ではアレルギー性鼻炎の治療ガイドラインでも推奨されています)
2008-09-13 | 1221276286
胃がピクピク動きます。 (質問者:パンさん)
20代です。今月に入って、突然左上のみぞおちあたりがピクピク・ドクドク動いています。痙攣というのでしょうか。心配になり、ご相談いたしました。
特に寝床に入ると、頻繁にあるように思います。昼間もあるんだと思いますが、あまり気にならないです。
食欲はあります。しかし便は快調ではないと思いますし、胃が張る感じはあります。ゲップもあります。これは胃潰瘍なんでしょうか?この時点でわかることがありましたら、ご指導ください。また、一度内視鏡をされた方がいいのであれば、受けたいと思っています。かなり嘔吐反射が強いです。経鼻内視鏡はそれでも大丈夫でしょうか?
いくつかご相談いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
ご質問の内容から、症状や経過などより、胃潰瘍よりも、“機能性胃腸症”と言う病気の可能性が考えられます。
あまり 聞きなれない病名かと思われますが、以前ではいわゆる“慢性胃炎”と広く言われていたものです。ROME分類という国際分類があり、1987年の米国消化器病学会にて 初めて提唱されている概念です。
胃痛 げっぷ 胃もたれなどの消化器症状がありながらも 内視鏡などの検査を行っても原因となるような病気がない場合に、使用される病名です。
(ちなみに 下痢 便秘 腹痛などの症状を伴う場合には 主に腸の病名として過敏性腸症候群と診断されます)
原因は、今のところ、医学的にはっきり断定できるものはなく、一般的には ストレスや環境 対人関係など、さまざまな要素が考えられます。
また、最近 よく取り上げられている ヘリコバクターピロリ菌も原因のひとつとして考えられています。
確定診断には やはり内視鏡は必須であり、適宜 腹部エコーやピロリ菌の検査も追加して行う必要もあります。
治療は、病状などにより 胃酸を抑えたり、胃の働きを改善する薬などを適宜調整することである程度の効果が見られます。また時には 漢方薬を併用することもあります。
いずれにしても、今回のご質問のお答えとして、確定診断のため、まずは 内視鏡(胃カメラ)を受けていただくことをお勧めします。
なお、以前に嘔吐反射が強かったとのことですが、鼻からの内視鏡でかなり 嘔吐反射は抑えられると思います。(当院では ほとんどの方が鼻からの内視鏡で検査をうけていただいております)
ただし、個人差がありますので、どうしても嘔吐反射がご心配であれば、必要に応じ麻酔を行って寝ている間に検査を受けていただくことも可能ですので、ご相談いただければ幸いです。
2008-05-15 | 1210810919
検査内容などについて (質問者:たまちゃんさん)
はじめまして。宜しくお願い致します。
以前、胃痛で胃カメラを受け、胃潰瘍と診断され、治療をしたのですが、ピロリ菌の除去をした記憶がありません。 そちらでは、ピロリ菌の除去治療も行っているのでしょうか? また、経口からの検査で、鎮静剤を使用しての、寝ている間の検査も行って頂けるのでしょうか? それと、胃カメラ・大腸カメラは検査の曜日が決まっているのでしょうか?
お忙しいところ、大変申し訳ございませんが、宜しくお願い致します。
ピロリ菌除菌治療 内視鏡検査等についてのご質問ですが、
1)当院でも ピロリ菌検査および除菌治療は随時 行っております。
なお、保険上は 胃十二指腸潰瘍の患者様が適応となっておりますが、今回、すでに胃潰瘍とご診断、治療されていらっしゃるので、ピロリ菌検査 除菌治療 および除菌後判定検査については、とくに問題ないと思います。
2)胃内視鏡検査についてですが、当院では、主に 鼻からの内視鏡を現在 中心に行っておりますが、患者様からのご希望や検査の内容によっては、経口(口からの)内視鏡検査も適宜 実施しております。
また、鎮静剤を使用しての内視鏡をご希望される場合には、麻酔等の合併症等を十分にご確認いただき、検査実施させていただくこともございます。
(当院では、できるだけ患者様のご希望に沿って検査 治療を行うように心がけております)
3)内視鏡検査日は基本的には
胃内視鏡検査は 水曜日と土曜日 午前
大腸内視鏡検査は、火曜日午後と決めさせていただいておりますが、患者様のご都合に合わせて、時には 別の曜日や時間に行う場合もございますので、ご相談いただければ幸いです
2008-02-23 | 1203737099
胃カメラの検査について (質問者:Shi-Baさん)
初めまして。よろしくお願い致します。
特に食べ過ぎてもいないのに、数週間ほどみぞおち辺りの圧迫感や、時々胃や脇腹あたりの痛みが続いていたので内科でガモファーD20mgの薬を1週間頂いて服用していました。しかしそれでも何も症状に変化が無いので本日消化器科へ行き、超音波と胃カメラの検査を受けてきました。超音波で胃や腹部を中心に検査を行い、すい臓や脾臓や子宮など各器官について異常なしということでした。
次に人生で初めて胃カメラを飲みました。4−5枚程写真が出来ていて、それも特に異常なしで特に胃が悪いということはなく、心身症的なものなので薬も何も必要ないと言われました。しかし胃カメラまでやっておきながら、検査後も本当に異常なしなのかと心配になってしまっている自分がいます。その医師を信用していないわけではないのですが、それでも症状が出ていたのに何も悪くないというのが不安で…。
具体的に、胃カメラというのはどういう所を見て、何が分かる検査なのでしょうか?胃の外か、内部まで見るのか…また、荒れているとか、ポリープやがんだとか、そういったことが分かるのでしょうか??
また、胃に異常が無いとしてまた同じような症状が出た場合、どう対処すれは良いのでしょうか?
お忙しい所申し訳ありませんが、是非回答よろしくお願い致します。
胃カメラについてですが、医学用語では “上部消化管内視鏡”といい、喉から食道 胃 十二指腸の一部までが観察できる検査です。
実際には、高画質のCCDカメラと光を当てる光源が先端に装着してあり、消化管の中を 実際に目で見たのとほぼ同じように観察できます。
潰瘍やがん 胃炎など、さまざまな病気が発見でき、また病気が見つかったときには、その場で組織をつまんで検査を行う(病理検査といいますが)ことも可能です。
さらに、現在では早期の胃がんや食道がんなどを手術せずに、内視鏡で治療することなども可能になっており、その他、さまざまな治療が行われています。
今回、お受けになった内視鏡検査にて異常がなかったとのことですが、言い換えると、がんや潰瘍など、緊急的な治療を要するような病気はなかったという意味合いかも知れません。
しかし、現実にはまったく異常がないことは、常識的には考えにくく、私の経験では多少の胃炎や食道炎、古い潰瘍のあとなどが見られることがほとんどです。
また、日本人の場合、ヘリコバクター ピロリ菌の陽性率が高く、成人ではおよそ60−70%程度は、陽性ですので、それに伴う胃炎等は、常識的には存在しています。
従いまして、いろいろな検査で、異常がなくても、胃痛やゲップ、胃もたれなどの症状は、ピロリ菌が存在していれば出てくる可能性がありますので、ピロリ菌が陽性かどうかは重要な要素になってきます。
もし、ピロリ菌が陽性であり、かつ胃炎(とくに萎縮の強い胃炎や腸上皮化生を伴うもの)や古い潰瘍の後などが見つかっていれば、ピロリ菌を除去する治療(“除菌”といいます)を受けていただいたほうが良い場合があります。
(なお、ピロリ菌検査や治療の一部は、場合により、自費診療になることもありますので、この点は、よくご確認ください)
さらに、内視鏡でも異常がなく、またピロリ菌の関与がなくても、胃の症状が出る病気に“機能性胃腸症”と言うものがあります。
この病気は、潰瘍や胃炎などの器質的病気がなくても、症状があるもので、消化管の運動機能の異常から発症するといわれています。昔から、一般的な“慢性胃炎”といわれていたものの多くは、この病気です。
原因は、ストレスなどといわれることが多いのですが、実際には、非常に複雑な原因があり、現在、医学の分野でも盛んに研究されています。
治療は、胃の動きを改善させたり胃液の分泌を減少させる薬を服用していただくことが多いですが、精神的なストレスも原因になり、安定剤や漢方薬なども有効とされています。
以上、基本的な事柄を含めお答えしましたが、まだまだ不十分な点があります。
一応、以上の内容を踏まえ、もう一度主治医の先生に、ピロリ菌や機能性胃腸症のことなど、ご質問されてはいかがでしょうか?
なお、ご質問があれば、再度いただければお答えいたしますので、ご連絡ください。
2007-12-06 | 1196908686
便潜血反応検査 (質問者:ママさん)
先日、便潜血反応検査をうけたら「陽性」という判定結果がでました。大腸がんの検査をしたいのですが、そちらの病院でする場合、費用はどのくらいかかりますか?また、年内で受けることは可能でしょうか。
大腸内視鏡検査費用の件ですが、以下におおよその概算費用をお書きしました。
保険診療上での費用ですので、状況や検査内容によっては、多少異なってくる場合がござますので、ご了承ください。
まず 初診時は、説明および診察 検査前の感染症(肝炎 梅毒)等を行っております。この場合、おおよそ血液検査費用を含め 2000円前後になります。
(なお、すでに当院受診歴のある方や、検診などで感染症検査が実施済みの方は、これらの費用が必要にならない場合があります)
では、実際の検査にかかる費用は、
1) とくに病気がなく 内視鏡検査のみで終了の場合は、おおよそ6000円前後
2) 何らかの病気などがあり、組織検査(細胞を顕微鏡で観察する検査です)が必要な場合、組織の個数によって異なりますが、10000〜17000円前後 必要になります
3) また、ポリープなどが発見され、その場で切除(ポリペクといいますが)した場合も個数によって22000〜30000円程度の費用が必要となります。
とくに ポリープ切除は、手術に近い高度な内視鏡的な治療ですので、高額な治療になっています。
これらは、あくまでも、便潜血陽性といった医学的に内視鏡検査が必要と判断されたような場合や、日常診察上、大腸の病気が考えられ、検査の必要があると判断した場合の現在の保険診療での概算ですので、検診などの目的で実施する大腸内視鏡検査の場合、保険は使用できませんので、実費になります。
その辺の違いについては、ご理解ください。
なお、今回のご質問の検査の場合は 便潜血陽性に対しての精密検査目的ですので、保険診療での検査が可能となります。
なお、当院での年内の大腸検査は、今のところ11日と18日のみを予定しておりますが、すでに、数名の患者様の予約が入っておりますので、もし年内のご希望がありましたら、早いうちに一度ご来院いただくか、日程についてはご相談できる場合もありますので、直接、私にご連絡いただき、ご相談させていただければ、ある程度、ご希望に添えることも可能ですので、よろしくお願いいたします。
2007-11-29 | 1196328288
大腸ファイバー希望 (質問者:エロ惚け親爺さん)
宮脇式大腸検査法を採用されている聞き、検査をお願いしようかと思います。
腸管洗浄剤での前処置だと思いますが、検査予約を入れたら当日早めに伺ったらいいのでしょうか?
また洗浄剤は以前のは随分飲みにくいと聞いていました。
ニフレックをお使いですか、それともマグコロールPやスクリットをお使いでしょうか?
内視鏡検査についてのご質問ですが、
当院で行っている大腸内視鏡検査の手順を簡単にご説明いたします。
まず、一度 外来を受診していただき、簡単な診察、問診の上、大腸内視鏡検査の具体的な説明の上、、検査の同意書をいただきまます。これは、“インフォームドコンセント”といわれるもので、現在の医療現場では、一般に行われている文書による同意確認です。日本消化器内視鏡学会でも実施を推奨しています。
また、内視鏡検査実施する場合には、感染症(肝炎や、梅毒)の確認が必要ですので、その際、採血をさせていただきます。(なお、すでに、検診やドックなどで、感染症検査が行われている場合には、不要となります)。
当院での大腸検査は、基本的に火曜日の午後となっておりますが、検査日程は、可能な限り、患者様のご都合に合わせて、決めさせていただいております。
前処置の方法は、
1)検査前日の夜夕食後 就寝前までに、下剤(ラキソベロン液と言うものですが)を服用していただき、あらかじめ、検査当日の朝までに、ある程度の便を出していただき、大腸をきれいにします。
2)検査当日は、ご自宅にて、朝8時ごろより、腸管洗浄液2Lを約2時間程度かけ服用して、大腸全体をきれいにしていただいた状態で、午後クリニックに来院していただき、検査を行っています。(施設によっては、医療施設に朝来院していただき、そこで服用していただく場合もあります。私が勤務していた東京逓信病院は、病院で服用していただいていました。)
3)使用している腸管洗浄液は、以前は、スクリットやマグコロールPでしたが、現在では、ムーベンを使用しています。これは、ニフレックとほぼ同じもので、レモン味で服用しやすいタイプです(逓信病院でも使用しています)。洗浄効果はどれも優劣なく、ほぼ同様の洗浄効果と思っていますが、使いやすさや、味などでムーベンを使用しています。
4)検査自体は、宮脇先生と同じような挿入方法で行っていますが、大腸検査は、各検査医師の個性がありますので、まったく同じ要領と言うわけではないかと思いますが、今年4月に出雲中央クリニックにて大腸挿入ビデオを宮脇先生と作製したことから考えると、ほぼ同様とお考え頂いてよろしいかと思っています
2007-11-13 | 1194942234
専門医 (質問者:ゆんさん)
近々、近所の消化器科で大腸、胃内視鏡を受けることになってしまいました。
そこで急に不安なのですがよくみてみるとその先生は内視鏡学会の専門医の認定をうけていないのですが大丈夫なのでしょうか。
お医者様を疑いたくはないのですが、まだ若いのであまり無理はしたくありません。
信じて受けるべきか、病院を変えるべきか。
お知恵をお貸し下さい
専門医についてのご質問ですが、結論的には、専門医認定の有無とその先生の内視鏡検査に対しての技量は、あまり関係ないと思います。
確かに、内視鏡専門医として標榜するためには、日本消化器内視鏡学会に所属し、ある一定の期間、内視鏡教育指導医療機関に勤務もしくは研修を受け、内視鏡技術を向上させる必要があります。
また、専門医試験に合格することも義務付けられています。
つまり“専門医”とは、実際の内視鏡技術に対し直接評価したものではなく、ある一定のレベルを獲得した内視鏡医であることを評していることになります。
言い換えれば、医師の経験が長くても、内視鏡検査の実績が少なければ、技術が未熟な場合もあり、逆に、若い医師の中にも、年間何千件も内視鏡を経験している場合には、専門医でなくても、“達人”といわれるような医師もいます。
実際、私の周りにも、非常に上手な内視鏡医がいますが、一時、海外留学したため、学会の所属年数が不足してしまい、ずいぶん遅れて(普通より10年以上遅れて)、専門医になられたという例もあります。
この先生は、大腸内視鏡は抜群にお上手でした。
ですから、“専門医=内視鏡が上手“とは必ずしも当てはまらないので、ご質問の、その先生が専門医でなくても、上手に検査していただけるとお考えであれば、受けていただいてよろしいのではないかと思います。
ただし、少しでも疑問がおありなら、担当直入にその先生に”内視鏡件数や方針“などをご質問されてはいかがでしょうか?
その際の内容でご判断されても良いかとも考えます。
2007-11-01 | 1193882731
カプセル内視鏡について (質問者:寅蔵さん)
先日受診した人間ドックで、十二指腸に対し「内視鏡検査が必要」と診断されました。お恥ずかしながら、内視鏡検査には恐怖に近いものを感じており、無痛内視鏡も勧められていますが、できれば避けたいと思っています(管が身体を通ること自体に恐怖感があります)。そこで、最後の頼みの綱として、できれば、カプセル内視鏡を試してみたいのですが、実施は可能でしょうか。
ご回答のほど宜しくお願い申し上げます。
ご質問のお答えですが、残念ながら当院ではカプセル内視鏡は行っていません。
実際には、大学病院や総合病院の一部の医療機関でしか現在行っていないというのが現実です。
今年10月に、ようやくカプセル内視鏡も保険診療として認められることになりましたが、保険上の適応は、“原因不明の消化管出血”ですので、主に小腸の病気の診断に対し、検査が行われています。つまり実際の医療現場では、胃内視鏡や大腸内視鏡を実施しても、出血の原因を診断できないような場合にのみ、行われており、胃や食道 十二指腸の検査のためにカプセル内視鏡を行うことは、基本的にはありません。
ですから、今回のご質問に対してのお答えとしては、当院を含め、どこの医療機関でも簡単には、カプセル内視鏡は行えないと言うことになります。
ちなみに、一般の総合病院では五反田にあるNTT東日本病院が積極的にカプセル内視鏡検査を行っている施設です。(実は、国立国際医療センター消化器科勤務時代の後輩が、現在、NTT東日本病院消化器科に勤務しておりますので、何かご質問あれば、当方から何らかの連絡をお取りすることができるかと思いますので、何かありましたらご相談ください。)
2007-10-13 | 1192235105
粘血便がつづきます (質問者:***さん)
2年くらい前から粘血便が気になり始めて今年の初めに胃腸科で内視鏡検査を受けました。
大腸全体に炎症があり、肛門から10センチくらいのところに
少し複雑な形の潰瘍がありました。
内視鏡直後は潰瘍性大腸炎かもしれないといわれましたが採取したものを検査した後、言われたのは腸炎ということでした。
それからサラゾビリンを服用し粘血便はおさまったのですが、3ヵ月くらいたってからまた粘血便が出始めました。
何度病院へ行って直腸を肛門からのぞいてもうん粘膜はきれいだし大丈夫だといわれ、ラックビーを処方されるだけです。
むしろ先生からは気にしすぎといわれるのですが
もしもっと大きな病気だったら・・・とか思うととても心配です。
又、粘血便が出続けていいものなのでしょうか。
どうして粘血便がでるのですか?
これを直すお薬を処方されないのはどうしてですか?
粘血便がではじめた頃、精神的ストレスが多かったのすが今はそのストレスも解決されました。
このまま気持ちに余裕をもてばおさまるようなものですか?
ご質問の答えですが、実際に 大腸内視鏡の所見を拝見していないので、確定できませんが、お話の内容、ご年齢、症状の特徴などからは、私見ですが、やはり潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis:通常略式として 医学的には しばしば“UC”と表現しています)の可能性が高いのではないかと考えます。
まず、持続する粘血便は“UC”の特徴的な症状ですし、発症のご年齢、肛門から10cm前後にできた潰瘍の存在、大腸全体に炎症が見られること、および“UC”の治療薬であるサラゾピリンの効果があったことなどなどは、やはり“UC”と診断しえる要素です。
確かに、他の病気の可能性は否定できません。たとえば、“UC”と医学的によく比較されるクローン病と言う病気がありますが、クローン病の場合、縦走する深い潰瘍がその特徴ですし、粘血便が持続する前に腹痛や頻回な下痢、体重減少をきたす事が多く、ご質問の内容からは考えにくいと思います。その他、腸の炎症をきたす病気には、腸結核などの感染症や虚血性腸炎、ベーチェット病 単純潰瘍(これは、小腸に多いのですが、)などさまざまな疾患があります。また、直腸などに大きな潰瘍をきたす病気として、直腸粘膜逸脱症候群(これは、ひどい便秘で、排便するために何回もいきみ、そのため腸の内圧が上昇し粘膜に炎症や潰瘍をきたす病気です)などもあります。しかし、こうした病気などに当てはまらない腸炎も医学的に存在することがあり、それを“分類不能腸炎”と診断することもあります。
ご質問のお答えとしては、結論的には、潰瘍性大腸炎の可能性が高いこと、その場合は、ラックBなどの整腸剤だけでは治療効果は不十分であり、サラゾピリンやぺンタサと言った腸の炎症を効果的に押さえ込む薬物の服用が必要であることなどです。
ただし、やはり確定診断をしっかりしていただくことが大切ですので、主治医の先生とよくお話していただき、きちっとした治療を行っていただくことが必要と考えています。
2007-08-01 | 1185952216
逆流性食道炎 (質問者:くわいさん)
今から約二ヶ月前くらいに、逆流性食道炎に罹ってしまいました。
その時の症状は左胸の心臓辺りの背中が痛み(鈍い感じ)、その周辺が重苦しい感じがしました。
その時に肺と心臓のレントゲン、心電図、血液検査をしましたが、心臓、肺には異常がありませんでした。その結果、逆流性食道炎と診断されました。
薬を飲み始め(オメプラール)一ヶ月半程経ち、大分効いてきたので、薬の程度下げ始めました。
しかし、ちょうどその週に転職し、新しい職場になり緊張したりしたせいなのか、背中の痛みが少しですが時々現れました。
そして、薬の程度も下がったことに調子に乗ってしまい、歓迎会でいつものようにお酒を飲んでしまったら、症状が病院に罹り始めた頃に戻ってしまい、薬を元に戻してもらいました。
三週間分もらい、飲み始めて今日でちょうど一週間経つのですがあまり効いているような気がしないんです。継続的ではないんですが、やはり背中の痛みが多少出ます。とても不安になってしまい、更にその痛みが気になってしまっています。
三週間待たずに、病院へ行ったほうがいいのでしょうか?
また、調子が良くなっても元に症状が戻ってしまうということはあるのでしょうか?
””逆流性食道炎について、ご質問頂きましたので、病気の概要について下記の内容をご参考いただければ幸いです。(東京逓信病院勤務時代に患者様に説明していたものの一部です)
胸が焼け付く、酸っぱいものがこみあげる、食べ物がつかえる、食後、横になるとむかむかする”といった症状は“逆流性食道炎”と言う病気である可能性が有ります。食物は、口から食道を通り胃に運ばれ、消化液や胃の働きによって細かく消化され十二指腸や小腸に運ばれます。食道は食物の通過道に当たりますが、胃とつながる部分には下部食道括約筋という筋肉が有ります。この筋肉は食物が通過する時だけゆるみ、普段は食道下部の部分を締める作用を持ち、胃の内容物が逆流しないように働いています。しかし、何らかの原因で、胃酸が食道に逆流すると食道に炎症が起こり、胸焼けなどの症状が出現してくるのが逆流性食道炎という病気です。胃の手術をした方や、胃の一部が横隔膜の上に出てくる食道烈孔ヘルニアの方などはこの筋肉の機能が十分に働かない為に、酸が逆流しやすくなっています。又、肥満や妊娠中の方などは腹圧が上昇し、この筋肉が緩みやすくなっています。なお、健常者でも18歳以上で10%、40歳以上の方で20%前後で起こると言われています。
症状食事後の胸焼けが典型的な症状です。胸のつかえ感や痛み、食物が逆流してくる、喉の痛みや違和感、夜中によく咳き込む、などといった症状も有ります。これらの症状は、体を横にしたとき(睡眠中も含む)や腹部が圧迫されやすい状態(肥満、食べ過ぎ、妊娠、コルセット装着時など)で起こります。又、刺激の強い物や脂っこい物、柑橘類、甘い物などを食べても起こりやすいのが特徴です。
原因胃酸の逆流や食道への過度の刺激、下部食道括約筋の緩み等が様々に絡み合って起こりますが、他の病気との関係も重要です。高血圧や心臓病、喘息のお薬などは下部食道括約筋を緩めて逆流性食道炎を起こす可能性があります、高齢女性の場合、閉経後に骨粗鬆症が起き、圧迫骨折や円背で腹圧が上昇し、この病気を誘発、増悪させます。又、胃十二指腸潰瘍の原因とされるヘリコバクター ピロリ菌の除菌によって5〜10%前後に逆流性食道炎が発症するとも言われています。
治療胃酸の分泌を抑えるお薬を服用にて症状はかなり改善します。ただし、服用をやめてしまうと再発することが多く、長期の服用が必要ですが、副作用も少なく安心して治療を受けていただけます。なお、逆流性食道炎を引き起こしやすい食物を避ける、お酒やたばこを控える、過食を避け肥満にならないようにするといった日常生活での注意< /U>も大切です。
まとめ今後、食生活の欧米化や高齢化社会にむけて、逆流性食道炎はますます増えてくると考えられます。胸焼けや胸のつかえ感などの症状でお困りのことが有りましたら、お気兼ねなく外来へいらっしゃって下さい。””
2007-07-18 | 1184750887
消えた?!胃ポリープ?! (質問者:きよわさん)
初めまして。
一年前に会社の検診で胃体部のポリープが見つかり(バリウムによる検査)たいしたものではなかったのか1年後胃レントゲン直接撮影と書かれており先日、同病院で同医師による検診を行い再びバリウムを飲み数日後送られてきた通知に胃ポリープの指摘がなく素人の私はびっくりしてしまいました。
胃ポリープというのは消えるものなのでしょうか?
身内を胃がんで亡くしており心配だったのですがなんだ結果がかすっきりしません。
違う病院の違う医師ならまだしもそこのところがよくわかりません。
ちなみに一年前、同じく両胸膜癒着、現在心配なしと指摘され聞いたことのない難しい言葉にびびって色々調べてみたら結核などを患って治ったときに見られるものとされており結核など全く心当たりがないのでとても不思議だったのですが今回、それも何の指摘もなくはてなマークでいっぱいです。
何かご意見いただければ幸いです。
1)胃ポリープのお疑いの件ですが、まず、一番重要なのは、本当に胃の中にポリープがあったのか?と言うことです。バリウム検査にて、胃のポリープを指摘され、胃内視鏡しても何もなかったということはしばしばあります。これはどうしてかと申し上げると、バリウム検査の際に、胃をふくらませる発泡剤なるものを一緒に飲みますが、これは、胃の中では空気と同じような働きをするため(バリウム検査でゲップが出そうになるのは、これが原因です) バリウムの中では空気の泡のような形になり、バリウム検査のレントゲン写真で、しばしばポリープと間違われてしまいます。ですから、このような場合、以前にポリープと診断されていたものが実は泡であり、次回には、特にポリープなどの異常が認められないと診断されることは、十分ありえることです。
こうした間違いを防ぐためには、やはりバリウム検査で異常ありと指摘された場合は、二次精密検診として、内視鏡実施していただき、正確な診断をしていただく必要があります。今回のご質問の経過から、上記のことが十分推定できます。これは、主治医の先生側の問題と言うより、検査の精度の違いによることとお考え頂いたほうがよいかと思います。(実際、医療現場では、胃の精密検査はすべて内視鏡で行うことになっていますし、被爆の問題もあり、私自身も、病院勤務で必要な場合以外では、ほとんどバリウム検査は行っていませんでした。ただし、胃の形や胃壁の伸び具合など判定するには、バリウム検査が有効な場合もあります) なお、自然に消失してしまうようなポリープも、存在します(胃の炎症などが原因の場合に見られます)があまり頻度は高くありません。
では、実際に内視鏡にてポリープが指摘された場合ですが、ほとんど胃のポリープ(1cm以内の隆起病変)は、病理組織検査(細胞の一部を採取し顕微鏡などで判定する検査)を行い、良性であると診断されれば多くの場合、治療の必要はありません。また、もし悪性の細胞が見つかったとしても、2cm以内なら早期の腫瘍のことが多く、内視鏡的に治療可能です。(なお、現在の最新医学技術では、実は、大きさに関係なく早期のがんなら、内視鏡的に治療できる場合も多くなってきています。)
2)二番目のご質問についてですが、実際のレントゲン写真を拝見しないと、はっきり申し上げられませんが、内容から推測してみた上ですが、たぶん昔、何らかの気管支炎や軽い肺炎などの既往があったのではないかと思います。小さいころに風邪をこじらせて、学校を休んだり、微熱や咳がなかなか直らなかったようなことなどはなかったでしょうか?
少なくとも、現時点では医学的には、あまりご心配ないように思います。ちなみに、結核の場合、現在、排菌している(結核に罹っていて、結核菌を咳などを通じて、人に移すような状況)ことが問題であり、過去に治癒している場合もほとんど問題ありません(結核と自覚せずに、いつの間にか治癒している場合もあります)
なお、ご心配であれば、大きな病院や医療機関などで胸部CTなどを受けられれば、確定診断できると思います。
2007-06-10 | 1181440699
クローン病の治療について (質問者:あねさん)
今年三月に弟がクローン病と診断されました。絶食とペンタサの服用(他にもう1つ薬を飲んでいたようですが名前がわかりません。潰瘍を治すための薬ではなかったとは思います。)で過ごし、最近五分粥までいったところで不調をきたし現在また絶食中です。昨日には検査の為の(数日前お腹に激痛を訴えたため)下剤の後、目の前が真っ暗になるほどの下血を起こしたのですが直後の内視鏡検査では大きな出血の原因になるようなものは見つからず、潰瘍も良くなってきているとのことでした。では何故痛みが治まらないのか、大量の下血が起こったのか
主治医は「クローン病とは違う何かによるもの」「様子を見ましょう」と話していますが正直不安でいっぱいです。
弟がかかっている病院ではクローン病患者を扱うのは初めてということも不安材料の1つです。一生懸命やってくださっているのでしょうが、あくまでもこれは素人目に見てですが、すべてが後手後手に回っている気がして仕方ないのです。
家族としては専門病院や経験の豊富な先生のおられる病院へのセカンドオピニオンを考えてもいいのではと思いますが、今はまだ本人が「治らない病気なのに別の病院へ行ったところでどうなる」という考えでおり強く勧めることも出来ません。
この病気自体が直接生命にかかわるものでなくても、このまま静観してよいものか、悩んでおりご相談させていただきました。
本人ではないので曖昧なところもあり分かりにくいかとは思いますがよろしくお願いいたします。
ご質問の内容ですが、本当にクローン病という病気かどうかにが非常に重要です。
血便 下血をきたすような病気は、他にも潰瘍性大腸炎 ベーチェット病、虚血性腸炎、単純潰瘍、腸結核 その他、いろいろあり、もし違う病気だった場合、治療方針がまったく異なってきます。
まず、その点をしっかり診断していただく必要があります。
次に、クローン病の診断が正しい場合、この病気の特徴は、下痢 腹痛、体重減少がまず主症状で、下血 血便などは頻度的には、多くありません。
私も多くのクローン病の患者さんを診察してきましたが、急激な貧血をきたした患者さんはほとんどいませんでした。
ただし、急激に大きな潰瘍(クローン病の場合、縦に深い潰瘍を形成します)からの出血の場合には、時々、進行するような貧血をきたす出血をきたす場合があり、注意が必要です。
クローン病は、口から胃 小腸 大腸 肛門のどこの部位にもできる特徴があり、よく難治性の痔ろうで発見されることがあります。
特に小腸に潰瘍ができると下痢が頻回になり腹痛、食事摂取が困難で、体重減少が進行、栄養状態も悪くなり、ひどいと腸閉塞まで起きてしまいます。
現在 治療法は、内科的な治療薬(ペンタサなど)やステロイド 免疫抑制剤などが多く使用されていますが、食事(動物性蛋白や脂肪)が原因と考えられており、食事制限もしくは栄養療法などが行われることも多くあります。
ただし、いずれの治療も決定的なものはなく、いろいろ組み合わせで行っているのが実情です。
最後に、クローン病の場合、再発を繰り返しやすく、治療に難渋する場合も多く見られますので、できれば、専門医のいる医療機関での治療が望ましいと思います。(かなりの臨床経験が必要ですので)私の所属していた東京逓信病院以外にも、社会保険中央病院(ここには高添正和先生というクローン病では超有名な先生がいらっしゃいます。私の兄弟子に当たりますが、、)や、慶応病院(日比 紀文教授) 東京医科歯科大学(渡辺守教授) 横浜市民病院(外科では杉田 昭先生が有名です)など、都内近辺には有名な医療施設があります。
ご心配なら、一度 セカンドオピニオンとして、受診されてはいかがでしょうか?
その他、ご相談いただければ、当院でできることはさせていただきます。
弟様にもよろしくお伝えください。
2007-05-30 | 1180490097
便秘・下血 (質問者:ぺこちゃんさん)
14歳から下剤を飲む生活を続けてもう16年になろうとしています。
今では市販の下剤を2シート飲まなくては効きません。
下剤を飲まないと排便がなく、浮腫み・熱り・吐き気がしてきて、お腹が張って苦しくなるのです。
それとたまにですが、下血があります。
ご質問の答えですが、まず、第一として、若いときからの頑固な便秘では、過敏性腸症候群という病気のことが非常に多く見られます。
この病気は、胃腸の神経が過敏なため、便秘や、下痢を引き起こすもので、多くはストレスが原因とされています。
もともと、人間は何らかのストレスを感じると、おなかが痛くなったり、便意を催したり、ひどいときは腹痛や吐き気などが起きたりします。たとえば、月曜日の朝におなかが痛くなりやすいなどといった症状はその典型です。
ご自身は、ストレスを感じていないと思われていても、体自体は何らかのストレスを受けていることはまれではありません、特に、若い多感の時期から持続している症状であれば、過敏症である可能性は高いと考えられます。
過敏性腸症候群については、いろいろな病態がありますが、一般的には、女性は便秘型、男性は下痢型としての症状が多く見られます。
これは、性別による人間の体質的な面の関与も考えれています。
ただし、便秘と下痢を繰り返す交代型といった場合もあり、症状は非常に複雑です。
なお、医学的に要約すると、体重減少を起こさない便通異常(下痢や便秘など)と腹痛が主な症状になります。
治療は、生活習慣の改善(ストレスを貯めない)や食生活などに注意することが大切ですが、便通を改善するための治療薬が必要となることが多く見られます。
また、精神的な原因も背景に隠れていることがあり、“いわゆる安定剤”のようなお薬が必要になる場合もあり、治療が必要とお考えならば、消化器科の専門医の診察を受けられてはいかがでしょうか?
なお、時々下血があるとのお話ですが、医学的には“血便”と表現する場合が多いのですが、原因としては、痔による出血が大半です。ただし、大腸のポリープや腫瘍などの病気が隠れていることもあるため、出血することが多ければ、内視鏡などの検査が必要なこともあります。
いずれにしても、一度、診察を受けていただき、適切な治療を行っていただけば、かなりの症状は改善できると思います。