不妊症とは「正常な夫婦生活があるにもかかわらず、2年たっても妊娠の成立を見ないもの」と国際不妊学会では定義付けています。避妊しないかぎり1年以内に約80%、2年以内には約90%の人が妊娠し、それ以降の妊娠率はきわめて低くなっています。近年、不妊症患者は増加傾向にあると言われています。
不妊症の原因は多種多様ですが、一般的には女性側原因が約50%、男性側原因が約40%、 原因不明が約10%とされています。
昔から、不妊症は女性の病気という概念がありますが、 実は不妊症の約半分は男性側に原因があり、また御夫婦双方に原因のある事もありますので、御夫婦で検査するのが原則となっています。男性も女性と同様の責任を負わねばならないのです。
近年、医療技術の進歩により、体外受精・卵管鏡等、不妊症治療技術は著しい進歩を遂げています。様々な治療法の中からどれを選択するかは、不妊症の原因、程度、患者さんの希望等を考慮して決められます。そして一つ重要な事は、不妊治療は身体だけ治療しても治りません。人間は心が70%、身体が30%と言うように、心のケアが最も大事となっています。そのためにも、御夫婦2人で協力し合い、前向きに治療に取り組んで行く事が大切だと思います。不妊で悩まれている方は1人で悩まず、是非一度医師に相談してみて下さい。