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【ひろクリニック・性病科】

代表的な病名、その症状と病態、検査および治療方法について

【HIV感染症/エイズ】

【クラミジア感染症】

【毛ジラミ症】

【性器ヘルペス】

【軟性下癇】

【梅毒】

【淋菌感染症】

【A型肝炎】

【B型肝炎】

【C型肝炎】

【性器カンジタ症】

【トリコモナス症】

【尖圭コンジローマ】

 

【HIV感染症/エイズ】

血液/体液を介してウイルスが感染する感染症です。

異性間/同性間の性的接触が主要な感染経路です。日本では近年、著しく増加傾向に有ります。

病態は、感染初期無症候期エイズ発症期の3期に分けられます。

感染初期は、発熱/咽頭炎/倦怠感/筋肉痛といったかぜ様の症状がみられることがあります。無症候期は症状はありませんが、ウイルスが増加しリンパ球が破壊されています。この状態ののち、リンパ球がさらに減少すると、免疫不全状態が進行し、エイズが発症します。無症候期は約5年〜10年ですが、個人によって差が大きいです。

検査/治療法

血液によって行い、スクリーニング検査で陽性の場合、さらに抗体検査を行って確認します。血液検査は感染後約2ヶ月間経過しないと判定できません。当院では、通常のスクリーニング検査と迅速検査の両方を行っています。
通常のスクリーニング検査は約2日間で結果がわかります。料金は\3,000です。
迅速検査は15分間で結果がわかり、料金は\4,500(税込)です。

また、他の性病 (淋菌感染/クラミジア感染/ヘルペス/尖圭コンジローマ等) に感染している場合、HIV感染症に3〜4倍感染しやすい事が知られていて、この点からも積極的なHIV検査が必要です。

 

【クラミジア感染症】

【男性の場合】

通常、尿道部分に感染し、尿道炎を引き起こします。1〜3週間の潜伏期のあと、尿道の不快感や透明な分泌液が確認できます。

しかし、クラミジア感染症で問題なのは、症状が全くない場合が多数あることです。放置すると前立腺炎や精巣上体炎を引き起こし、長期化します。

検査/治療法

検査は分泌物、初尿による抗原検査、血液による抗体検査です。
治療は、1週間から2週間の抗生物質内服治療です。

また、オーラルセックスやディープキスによって咽頭にクラミジアが感染することがあります。無症状であることが多いため、積極的な検査治療が必要です。

【女性の場合】

クラミジアの感染によって子宮頭管炎、卵管炎、卵巣炎、骨髄内炎症症候群 (PID) を引き起こします。症状としては、帯下の増加、不正出血、下腹痛、性交痛などがあり、上記症状がある場合、検査が必要です。また、感染による不妊症や流産、子宮外妊娠のリスクも高まるという報告があります。男性同様、無症状であることも多数あります。

検査/治療法

検査は、分泌物検査、または血液検査です。
治療は、1週間から2週間の内服治療です。

オーラルセックスやディープキスによって咽頭にクラミジアが感染することがあります。無症状であることが多いため、積極的な検査治療が必要です。

 

【毛ジラミ症】

ケジラミによる有毛部 (特に陰毛部) の感染症です。

通常、感染後1ヶ月程度経過したのち、上記部分のかゆみや、下着への茶〜赤色の付着物にて疑われ、成虫や毛髪に付着した卵によって診断します。

検査/治療法

治療は専用のシャンプーやパウダーによって行います。約1〜2週間で治ります。

 

【性器ヘルペス】

単純ヘルペスT型またはU型によって、性器に水泡性/潰瘍性の病変が生じる病気です。

感染はセックスやオーラルセックス、キスなどで感染します。

初感染の場合には発熱等の症状が感染後2〜10日間で出現します。しかし初感染時は無症状で、ストレスや免疫力の低下時に再発する再発例も多く見られます。

検査/治療法

治療は抗ウイルス剤の内服がほとんどです。

 

【軟性下癇】

軟性下癇菌による性病 (STD) で、痛みの強い潰瘍とソケイ部のリンパ節の化膿性炎症が特長です。

元来、東南アジアやアフリカで多く発生している病気で日本での感染例は少ないです。

症状は2日〜1週間の潜在期間ののち、男性では亀頭周辺、女性では大小陰唇、膣口などに深い有痛性の潰瘍とソケイ部のリンパ節の腫大が見られます。

検査/治療法

診断は視診、触診のみで十分な事も多く、効果のある抗生剤の内服投与を1〜2週間行います。

 

【梅毒】

性行為や類似の行為 (オーラルセックス 等) によるTreponema pallidum の感染によっておこる全身性の性病 (STD) です。

通常感染後3週間程度で感染部位を中心に潰瘍のある、周囲が固く盛り上がった初期硬結と呼ばれるものが発生します。この初期硬結は2〜3週間で自然に消失し、その後約3ヶ月以降に、全身に感染をおこし、皮膚や粘膜にバラ色の発疹や丘疹、発赤などを引きおこします。

またさらに進行し3期、4期になると、神経、脳や血管などに炎症を起こします。また他の性病 (STD) と同様に無症状である場合が多いため、早期より検査が必要です。

検査/治療法

検査は血液による梅毒血清反応試験を行い、内服薬や注射による抗生剤投与(ペニシリン)にて治療を行います。

 

【淋菌感染症】

【男性の場合】

通常、2〜7日間の潜伏期ののち、尿道より黄白色の分泌物および、排尿痛が出現します。 (淋菌性尿道炎) しかし、場合によっては1ヶ月程度の潜伏期間があるものもあり、放置しておくと精巣上体炎や前立腺炎等を引き起こし、重病化することもあります。

検査/治療法

検査方法としては、分泌液検査、尿検査にて淋菌の確認をします。場合によっては無症状という事もありますので、多少の違和感がある時やパートナーが淋菌である場合は、早めの検査が必要です。

治療方法は抗生剤の筋肉注射、静脈注射、内服治療が中心です。

最近では、抗生剤の耐性がある菌が出現しており、適切な抗生剤の投与が必要です。完治までは通常、1〜2週間が必要です。

 

【女性の場合】

女性の場合は、多くの場合、無症状であることが多いです。分泌物の増加や臭いの変化等も症状の1つですが、頻度的には自覚症状が無いものが多く、積極的な検査が望まれます。

検査/治療法

検査方法は膣、子宮頚等の分泌物検査が中心です。

治療方法は抗生剤の筋肉注射、静脈注射、内服治療が中心です。また、放置すると、卵管炎や卵巣炎、子宮内膜炎も併発し、重症化します。

不妊症の原因の1つとも考えられています。とにかく、心配のある場合、早めの検査を受けて下さい。

淋菌性咽頭炎は、男性女性ともに共通する病気です。オーラルセックスやディープキスなどで感染します。性器感染症の人の約30%にみられます。

咽頭症や発熱などのカゼ症状が見られることもありますが、無症状のことがほとんどです。

治療は性器感染症の場合と同様です。

 

【A型肝炎】

通常は汚染された水や食べ物によってA型肝炎ウイルス (HAV) 経口感染する病気です。重要な事は、異性同性愛患者の間では、STD (性感染症) として認められる点です。

症状は、一ヶ月程度の潜伏期を経て、発熱、全身倦怠感、吐き気、嘔吐、黄疸等の症状があらわれて、1〜2週間持続します。慢性化することはありません。

検査/治療法

治療に関しては、治療薬はありませんが、基本的に安静のみで完治します。

 

【B型肝炎】

B型肝炎ウイルス (HBV) が原因の感染症です。性行為や針刺し輸血等によって感染して、2〜6週間の潜伏期間ののちに、倦怠感、食欲不振、赤裼色等の症状があらわれます。また、劇症化する症例が見られます。
慢性化やキャリア化する事は、ほぼありませんが、免疫能が低下した場合には注意が必要です。

検査/治療法

治療については、多くの症例で、自然に軽快するので慎重に経過を観察します。

 

【C型肝炎】

血液や母子間、性行為によるC型肝炎ウイルス (HCV) の感染する病気です。STD (性感染症) の1つです。

感染した場合、その多くは無症状で、急性肝炎の場合には発熱、全身倦怠感、食欲不振で発症します。
HCV感染で重要な特長は、約2/3が慢性 (キャリア) する点です。

検査/治療法

検査は血液によるHCV抗体の検出にて行います。
治療は、一般的には安静等の保存的治療がなされ、慢性化症例にはインターフェロンの投与が行われます。

 

【性器カンジタ症】

性器カンジタ症は、カンジタ菌によっておこる性器の感染症です。

女性での主な病型は、膣炎、外陰炎で、一般的に両者が合併することは少なくありません。

男性での主な病型は、亀頭炎です。女性性器の感染症のうちでは、日常よく見られる疾患です。また、女性に比べて男性の場合は、比較的まれな病気であるとも言えます。

【男性の場合】

性器にカンジタを有していても、男性の場合は症状を呈することは少ないです。症状のある場合は、亀頭部のかゆみ、違和感、発赤、小水泡、びらん等が見られます。

検査/治療法

診断は、女性の場合と同様、視診、鏡検、培養等によって行います。

治療は外用剤のみで行います。

【女性の場合】

自覚症状は、外陰や膣のかゆみや帯下の増加等があげられます。特には膣の熱感や痛み、性交痛、排尿障害を訴える場合もあります。帯下(おりもの)は特徴的で、酒粕状、粥状、ヨーグルト状の白色膣内宮が見られます。

原因としては、抗生剤の投与、免疫力の低下、糖尿病、ステロイドの投与、性交為による感染があげられます。

検査/治療法

診断は、膣内の内診、鏡検、培養等によって判断します。

治療は一般的には、膣剤の投与、外用剤の使用ですが、難治例や再発を繰り返す症例では、内服剤の投与も有効です。

※補足

性器カンジタ症は、男性、女性とも性感染症ととらえる一方、日和見感染という側面ももちます。この点が他のSTDと違う点です。特に女性の場合、性行為とは全く関係なく発症する場合が多いため、必要以上に性行為に関してナーバスにならない事も大事です。

 

【トリコモナス症】

トリコモナス原虫による感染症で、もっとも古くからあり、ポピュラーなSTDとして知られています。

近年、日本では減少傾向にありますが、再発を繰り返す難治症例も少なくありません。感染経路は、性行為によるものはもちろん、性交経験のない女性や幼児でも、見られることから他の感染経路、つまり身につける下着やタオル、便器、浴槽を通した感染も知られています。また、他のSTDと異なり、年齢層が非常に幅広く、中高年者でも、しばしば見られるのが特徴です。

【男性の場合】

男性では尿道炎症状を起こすことが多いですが、一般的には無症状なことも多いです。尿道や前立腺、精のうなどに感染し、性行為によってパートナーに感染します。

検査/治療法

診断は、分泌物や初尿を用いた鏡検や、培養によって行われます。

治療は、メロトニダゾールというお薬の内服を10日間前後続ければほぼ完治します。

【女性の場合】

男性と比べて女性のトリコモナス感染症の場合の症状は非常に多様です。おおむね、20〜50%が無症状性感染と言われ、泡状の悪臭のある黄緑色の帯下という症状は特徴的ですが、この様な症状は症状がある50%程度の女性に見られるだけで、他の感染症と同様に一般的な帯下の増加や、膣や外陰部のかゆみ、膣の発赤等、さまざまな症状を引き起こします。

検査/治療法

診断は、内診、鏡検、培養で、活発に活動するトリコモナス原虫の確認が一番大事です。

治療は、メロトニダゾールの膣錠や、内服で、10日間前後治療が必要です。

また、一般細菌感染や他のSTDを併発することも多く、他のSTDの検査も必要です。

※補足

男性、女性の場合ともにパートナーの治療が必要ですので、必ずパートナーにも検査を受けてもらってください。

 

【尖圭コンジローマ】

性器へのヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染症で大部分が性交あるいは、その類似行為(オーラルセックス等)で感染します。

HPVは接触により、皮膚や粘膜の微小な傷から侵入して表皮の細胞に感染を起こします。感染後、視診で観察できるまでは、3週間から8ヶ月間を要します。その為、感染機会あるいは感染相手を特定することができない場合が多いです。

【男性の場合】

陰茎の亀頭、冠状溝、包皮内外、陰よう、尿道口、肛門周囲、肛門内等に発症します。

病状が乳頭状、鶏冠状の外観を呈することが多いですが、初期の場合、突起状の小さな物もあります。時に多発、巨大化することがあります。

一般に自覚症状はありませんが、場合によっては痛みやかゆみが見られることがあります。

治療法

治療は、凍結治療、電気焼灼、レーザー治療、ポドフィリンや抗ガン剤の外用等があり、症状や患者様の希望により選択します。

治療上注意すべき点は、再発例が多く、3ヶ月以内に25%が再発するというデータもあります。繰り返し治療することが必要です。

【女性の場合】

大小陰唇、膣内、子宮頭部に発症します。また男性の場合と同様に、肛門周囲や肛門内、あるいはオーラルセックスにより口膣内に発生することもあります。

症状治療は男性の場合と同じですので、「男性の場合」を参考にしてください。特に女性の場合に注意したいのは、子宮頭部が HPVのターゲット臓器であるという点です。外陰部の尖圭コンジローマの患者様のうち、子宮頭部に病変を合併する場合が少なくありません。特に高リスク型のHPVが子宮頭部に感染した場合、子宮頭頚癌の発生を見る可能性があります。よって、高リスク型のHPVのDNA検査にて陽性の場合、注意深い観察と特には、細胞診によりフォローすることも必要です。

※補足

男女とも再発例が多いのがこの病気で特徴ですので、注意深く観察を続けることが大事です。最低3ヶ月は再発がないことを確認することと、パートナーの継続的な観察も必要です。

 

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