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熊埜御堂耳鼻咽喉科・ワンポイントアドバイス

「アレルギー性鼻炎

(春先のスギ・ヒノキ花粉症を含む)」

 

1)アレルギー性鼻炎について
アレルギー性鼻炎はT型アレルギーといわれるもので花粉、ダニ、ハウスダスト(ホコリ)などが原因抗原となり、3大症状(くしゃみ、水様性鼻汁鼻水、鼻閉)を起こすものです。特に、春先に見られるスギ・ヒノキ花粉によった季節性アレルギー性鼻炎は2008年の全国調査からは26.5%の有病率があり国民病とも言われており、3大症状(くしゃみ、水様性鼻汁鼻水、鼻閉)に加えて、眼症状・イライラ感・疲労・睡眠障害・思考力低下・外出の支障など様々な影響を及ぼしています。


2)なぜ症状が起こるのか?
原因となる抗原が鼻の中に吸入されるとアレルギーの体質(特異的IgE抗体)がある患者さんの鼻の中でT型アレルギー反応が起こります。鼻の粘膜が過敏になり、原因となる抗原を出来るだけ排除しようとします。このため鼻の粘膜にヒスタミンやロイコトリエンなどの物質が作用し、ヒスタミンでは、くしゃみ、水様性鼻汁。ロイコトリエンでは鼻閉の症状を引き起こします。
3)医療機関での診察・検査
現在起きている症状、鼻内の所見などから、アレルギー性鼻炎であるかどうか検討します。
特に春先のスギ、ヒノキ花粉によった季節性アレルギー性鼻炎に関しては、当院では別途に問診票を用い、これまでの加療・検査項目状況、現状の症状などを記載していただき診療の参考にしています。このため現在の症状および、ご自身がこれまでどのような治療を受けられたのか?ご自身のアレルギー性鼻炎の原因を特定する検査を受けられているか?が、はっきりしていますと診療・治療の目標が見出しやすいと思います。
診察では鼻の粘膜の最も大きい幅のある:下鼻甲介粘膜の腫脹程度、色調、鼻汁の多さなどを拝見します。長期間に渡った持続した症状を持つ、ダニやハウスダストによる通年性アレルギーの所見では、大変強い下鼻甲介粘膜の蒼白した腫脹が見られることが特徴的です。しかしながら春先のスギ・ヒノキなどによった季節性アレルギー性鼻炎で大量の花粉にさらされた直後であったときは、発作様の強い症状を見受けますが、下鼻甲介粘膜では先端が充血し、鼻糞の付着も見られ、急性鼻炎症状の所見と一見したのみでは区別が困難なことがあります。このため「現状の症状がアレルギーによるのか、感冒・その他によるのか?」を判断する目的に、鼻汁を取り、分泌物から細胞を調べてアレルギー要素が大きいのか判断する検査(鼻汁好酸球検査)を行うことが最も確実とされています。当院では積極的に鼻汁好酸球検査を行うようしています。また、「自分は 何に対してアレルギーである可能性が高いのか?」との原因抗原の特定は、通常血液検査を行います。主に検査を行うのは吸入抗原といい、花粉の種類および、ダニやハウスダストを調べます。食物や、動物の皮屑(ネコ、イヌ)なども検査することは可能です。検査会社に検査を依頼しますので、受診当日に結果をお知らせすることはできず、数日の時間を頂きたく思います。


4)治療
基本的には鼻アレルギー疾患 診療ガイドライン-通年性鼻炎と花粉症-に沿って行います。
治療の目標はガイドラインを参考にしますと、下記のように記載されています。
@ 症状はない、あるいはあってもごく軽度で、日常生活に支障のない、薬もあまり必要ではない状態
A 症状は持続的に安定していて、急性増悪があっても頻度が低く、遷延しない状態。
B 抗原誘発反応がないか、または軽度の状態。


<処方薬での治療>アレルギー性鼻炎治療の主体となるものは、くしゃみ、水様性鼻汁鼻水、鼻閉などの症状改善を行う目的に、医療機関での処方箋が必要な内服薬、点鼻液を中心とした薬物治療を行うことです。内服薬には抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬が中心となり、外用薬には副腎皮質ステロイド薬点鼻、抗ヒスタミン薬点鼻薬、血管収縮薬点鼻などがあり、これらを単独、あるいは組み合わせて使用しています。
また、春先のスギ・ヒノキ花粉によった眼症状(目のかゆみ、涙目など)には、処方可能な範囲で抗ヒスタミン薬や副腎皮質ステロイド点眼薬を使用していただくことがあります。
<舌下免疫療法>最近では、舌下免疫療法が注目を浴び、2014年 秋からは、当院でもスギ花粉症に対しての製剤などが使用できるようになりました。原因となる抗原を確定し、抗原エキスを低濃度から徐々に投与していく治療です。最初は2週間に一度程度の受診が必要なこと、継続できる状況になれば(維持療法の期間)1か月に1度程度の受診を、
少なくとも2年から3年間以上行うことで症状の軽快が望める可能性がある治療です。


<手術的治療>アレルギー性鼻炎治療の中でも手術的治療が選択される場合があり、内服薬や点鼻液での治療で解決しない強い下鼻甲介粘膜の腫脹によった鼻閉。鼻腔形態の異常を伴い鼻閉がある場合で、鼻閉改善を目的にするには手術を検討する場合があります。現状、当院ではアレルギー性鼻炎に関して積極的に手術は行っていませんが、近隣の医療機関へ適応となると考える患者様に対しては紹介状を作成いたします。


 

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