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熊埜御堂耳鼻咽喉科・ワンポイントアドバイス

「加齢に伴う難聴 -高齢者とコミュニケーションをする人へ-」

 

 

1)聞こえと耳鼻咽喉科で行う聴力検査
ヒトが聞こえる周波数(音の高さ)の範囲は約20〜20,000Hzの間であると言われており、
テレビ番組の医療バラエティー等で、聴力の加齢現象を検証するとして16,000Hz前後のいわゆるモスキート音が聞こえるかどうかを調べ「耳年齢」としていますが、
耳鼻咽喉科で一般的に行われる聴力検査は、125〜8,000Hzの7つの違う周波数を用いて行います。この検査で分かることは「最小可聴閾値」といい7つの周波数でそれぞれ、この音圧(音の大きさ)で聴こえた。という判断になります。
2)加齢による難聴の特徴
加齢による難聴は、1)高音域(高い周波数から)障害される。2)左右差がなく、左右の聴力は同じような形をとっている。3)音は聞こえるが、言葉がわかりにくい。4)早口で言われると内容が分からない。5)周囲が騒がしいところでの会話がわかりにくい。とされています。このため聴力が低下することと、言葉の判別ができにくくなることが特徴になると考えられます。聴力検査の結果と、私たちが日常的に発声・発音する言葉はどのような関係があるかを示しますと、聴力検査の結果では4,000〜8,000Hzあたりから低下が始まり、徐々に低い周波数へと進んでいくとともに、各周波数における難聴の程度も増していきます。この図に発声・発音する言葉を重ね合わせると、500〜2,000Hzが主な周波数で、30dB〜80dBが主な周波数となります。このため体温計や電子機器のアラーム音などが聞こえなくなった。言葉として「S」「K」「T」「SH」の聞き取りの悪さから、「加藤さん-佐藤さん」「坂田さん-高田さん」「一時-七時」「信号-りんご」のような聞き間違いが生じることになります。

 

 

3)聞こえに不自由を感じるようになった場合
難聴を自覚している高齢者の方は本人が聞き取る努力をしても、話の内容がつかみにくく、大勢の人の集まる場所での会話ができにくく、自宅でテレビやラジオの視聴をしているときに音量が大きくなる、などが 実際の生活の中で高齢者の方 本人、家族ともに感じていることが経験されます。このような時には、高齢者とコミュニケーションをする人の気配りも必要と考えられます。
具体的には
1)「早口では分かりにくい。」-「ゆっくり話すと分かりやすい。言葉を区切って話すと分かりやすい」
2)「似た言葉を聞き間違えやすい」-「手掛かりになる言葉を加えると分かりやすい、身振りやメモに書くと分かりやすい」
3)「雑音の中での会話」-「周囲が静かであれば分かりやすい、顔を見て本人に向かって話をすると分かりやすい」
4)「離れたところ、後ろから声をかけても気づきにくい」-「前の方から手招きなどをして、声をかけると気づきやすい」
また、聞こえの悪くなっていることは 一見すると分かりづらい障害ですので、
高齢者自身も難聴があることを周囲に伝えることができると、コミュニケーションがしやすくなる。ことと思います。
具体的には
1)「銀行、郵便局、医療機関などで過度な緊張をしない。」-「窓口の職員などに難聴があることを伝える」
2)「周囲の人との会話が出来なくなってきた」-「(最近耳が悪くなってきたので、など)難聴の状態を会話の中で話してみる。」
3)「テレビの音量、ドラマのセリフが聞き取れない」-「字幕の活用」
 最近は、年齢の若い人でもドラマ視聴するときなどでは字幕表示をして、内容が分かりやすく感じ、またテレビの音量も大きくせず過ごしていることも多い様子です。

日本は、世界に先駆けて「超高齢社会」を迎えています。
定義によれは65歳以上の高齢者が人口の16%以上になると高齢社会。21%以上になると超高齢社会と呼び、日本は2008年には「超高齢社会」に突入しています。
高度経済成長時代にいわれていた「高齢化社会-これから高齢者が増える」との概念から、時代は変わりました。
最後に診療の参考にしている、聞こえのセルフチェック項目を上げておきます。
ご本人、ご家族でチェックしていただき、項目が多い様子であれば 耳鼻咽喉科の医療機関に受診し聴力検査を行い、聞こえの状況を知るようされてはいかがでしょうか?
1)呼びかけられたのに、気づかなかったことがある。
2)自動車の中での話が、何を言っているのかよく聞き取れない。
3)周囲の人がモグモグした声で、はっきり話をしていないように感じる。
4)家族や知人が、補聴器をつければいいのにと考えている。
5)騒音多い職場や、大きくうるさい音の場所にいる。
6)相手にもう一度繰り返して言ってほしいと頼んだことがある。そうでなければ、言ったことを推測で判断することがある。
7)自動車や電車が走る音に気が付かなかったことがある。
8)テレビや映画や劇の中の会話がよく聞き取れない。
9)電話で話すときに相手の声が聞き取りにくい。
10)集会、会議、授業など広い空間の場で話の内容が分からなくて困る。

 



 

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